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ブロックチェーンで「クリスマスチキン」に安心と信頼を|食品大手Cargill


米国最大の民間企業であり、食品大手としても知られるCargill(カーギル)は、クリスマスや感謝祭を祝う人々が購入した七面鳥を追跡できるようにするためにブロックチェーン技術を導入したプロジェクトに取り組んでいます。昨年から試験的な試みを続けている同社のプログラムは順調にその規模を拡大しています。

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七面鳥の「生産情報」を追跡|Cargill

七面鳥の消費量などの調査を行なっている「National Turkey Federation(ナショナル・ターキー・ フェデレーション)」のデータによると、アメリカで感謝祭シーズンに消費される七面鳥の数は約4,600万羽にものぼると報告されています。しかしながら、七面鳥がどこで養殖され、どのような方法で生産されたのかを知っている人はほんの数人しかいなかったと報告されています。

世界最大の売上高を誇る非上場企業であり、アメリカ最大の七面鳥供給事業者でもある「Cargill(カーギル)」は、人々がより安心してチキンを食べることができるようにブロックチェーン技術を用いて七面鳥の生産情報を追跡することができるサービスの開発に取り組んでいます。

Cargillは、自社ブランドである「Honeysuckle White(ハニーサックル・ホワイト)」の七面鳥にブロックチェーン技術を用いた追跡システムを活用しており、昨年試験的に行なわれた実験では、4つの農家の約6万羽の七面鳥を対象に追跡が行われています。

カーギルは公式発表の中で、今年はさらにその量と範囲をさらに拡大して、70以上の農場の約20万羽の七面鳥を対象にブロックチェーン技術での追跡を行なっていることを報告しており、これらの対象となる農場の人々は今回のプログラムに参加することに大きな関心を示したとも伝えられています。

追跡コードで「安全性」を証明

Cargillは公式発表の中で「食品に透明性を与え、消費者が選択できるようにすること」の重要性を強調しており、同社が食品サプライチェーンの信頼と透明性の向上に取り組んでいることを説明しています。

「Cargill Protein and Salt」の最高情報責任者であるDebra Bauler(デブラ・バウラー)氏は、プレスリリースの中で次のように述べています。

Cargillは、業界全体に利益をもたらし、お客様を支援するためにブロックチェーンなどの技術に投資して食品や農業のサプライチェーンをデジタル化しています。

「Honeysuckle White turkeys」の透明性をさらに拡大させるこのプログラムは、食品サプライチェーンの信頼と透明性を高めることができるため、お客様はより自信を持って食品を購入することができるようになります。

一度に大量の商品が流通する場合には、何か問題が発生した際に問題の発生源を特定することが難しくなるため、クリスマスや感謝祭に急激に需要が高まる「七面鳥」の生産工程や流通のプロセスを追跡できるようにすることは非常に重要であると言えます。

Cargillが生産している「Honeysuckle White Turkeys」は、管理者側が情報の追跡を簡単に行うことができるだけでなく、パッケージにプリントされたコードを公式サイトで入力するだけで、消費者も簡単に生産者の情報を確認することができるため、実際に購入する前に生産者情報を確認することもできるようになっています。この仕組みを取り入れているCargillの七面鳥は、食品の安全性を重視している人々にとって非常に魅力的な商品となっています。

食品汚染にも活用される「ブロックチェーン技術」

食品の安全性や信頼性を向上させるためにブロックチェーン技術を活用する取り組みは、その他の大手企業も続々と採用し始めています。世界最大の小売業者である「Walmart(ウォルマート)」は、店舗で販売するレタスの安全性を向上させ、食品汚染などの問題に対処するためにブロックチェーン技術の活用に取り組んでいます。

食中毒や異物混入などの問題が世界中で問題として取り上げられている現代社会において、ブロックチェーン技術を用いた「食品追跡システム」はこれから非常に重要な役割を担ってくることになると考えられます。