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仮想通貨で「トランプ大統領失脚」の資金調達|麻薬王の兄:ロベルト・エスコバル


コロンビア最大の麻薬密売組織「メデジン・カルテル」の創設者であり、麻薬王としても知られるPablo Escobar(パブロ・エスコバル)氏の兄であるRoberto Escobar(ロベルト・エスコバル)氏は、米国のDonald Trump(ドナルド・トランプ)大統領を”退任させるための資金調達”としてステーブルコインを発行し「ICO」を行なっています。

こちらから読む:幅広い資金調達に利用される「ICO」基本知識と関連ニュース

Roberto Escobar(ロベルト・エスコバル)氏とは

Roberto Escobar(ロベルト・エスコバル)氏とは、コロンビア最大の麻薬密売組織「メデジン・カルテル」の創設者であり、麻薬王として世界的に知られているPablo Escobar(パブロ・エスコバル)氏の実の兄です。

パブロ氏の遺産を守るために「Escobar Inc」というベンチャー投資会社も立ち上げている同氏は、昨年3月にもダイエットコイン(Diet Bitcoin/DDX)と呼ばれる仮想通貨を発行していますが、このウェブサイトは現在Google(グーグル)から「セキュリティ面にリスクがあるサイト」として分類されています。

悪名でその名を轟かせているロベルト氏は、自身の発行するコインは詐欺ではないと語っていますが、多くの人々はそれらの主張を信じてはおらず、ウェブサイト自体へのアクセスも十分に注意が必要だと言われています。

ICOでステーブルコイン「10億ドル相当」を発行

ロベルト・エスコバル氏は元々「GoFundMe」と呼ばれる寄付型のクラウドファウンディングサイトで、トランプ大統領を批判するために5,000万ドル(約54億円)の資金を調達することを予定していました。この資金調達では「わずか10時間で1,000万ドル(約11億円)が集まった」と伝えられていますが、その後ページは削除されプロジェクトは廃止となったと報じられています。

しかし同氏は「GoFundMe」のページが削除された後、わずか24時間以内に仮想通貨を発行してICOを行なっています。ICOで発行されている「ESCOBAR」というコインは、イーサリアム(Ethereum/ETH)のプラットフォームを活用したERC20トークンとなっており、米ドル(USD)に価値が裏付けられたステーブルコインだと伝えられています。

複数の報道によると、このコインは2019年にテザー(Tether/USDT)と競合することを目指しているとされており、供給量は総額10億ドル(約1,085億円)に相当する「10億ESCOBAR」、5月10日まで開催されるプレセールでは「2億ESCOBAR」が販売される予定だとされています。

トランプ大統領批判に「5億ドル」投入

今回のICOに関して最も気になるのは「なぜトランプ大統領を失脚させたいのか?」という点ですが、これに関する詳しい説明は行われていないため、明確な理由は明らかになっていません。

しかし、トランプ氏を非難しているウェブサイトでは『トランプ大統領は過去最悪の大統領である』ということが明記されており、トランプ大統領の「退任」がプロジェクトの主な目的として掲げられています。

「ESCOBAR.Inc」の最高経営責任者であるOlof Gustafsson(オロフ・グスタフソン)氏は『GoFundMeのページを閉鎖したのはトランプ政権またはトランプ大統領であると信じている』と語っており、調達された資金の半分はトランプ大統領を批判するために使用され、残りの半分は「ESCOBAR.Inc」の開発費用などに充てられると説明しているため、最終的には約5億ドル(約542億円)相当の資金がトランプ大統領を退任させるための活動資金として使用されると考えられます。

海外では「GoFundMe」で1,000万ドルを調達したとの主張に対しても疑いの目が多く向けられていますが、実際に資金を調達していることを示す画像も公開されているため、プロジェクトの詳細に関しては意見が分かれています。しかしながら「このICOには注意を払う必要がある」という点では意見が一致しており、多くのメディアは注意することを呼びかけているため、より詳しい情報を調べる際には自己責任で行うようにしましょう。