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仮想通貨の「証拠金取引・空売り」が禁止に?カナダ証券管理局が規制提案


カナダの規制当局は、潜在的なリスクから投資家を保護するために、暗号資産の「空売り」と「証拠金取引」を禁止することを提案しました。この提案が実際に採用されれば、同国の仮想通貨市場にも大きな影響が出ると予想されます。

こちらから読む:カナダの規制当局が禁止を提案した「空売り」とは?

カナダ証券管理局(Canadian Securities Administrators/CSA)は、2019年3月14日に公開された文章の中で「潜在的なリスクから投資家を保護するために仮想通貨の空売りと証拠金取引を禁止すること」を提案しました。

潜在的な操作的または詐欺的な行為のリスクを減らすために、当面の間はプラットフォームが「ダークトレーディング(*1)」や「空売り」を許可しないようにするか、参加者に余裕を持たせるようにすることを提案します。

「暗号資産取引によって市場にもたらされるリスク」について、より良い理解が得られた場合には、このことを再検討するかもしれません。
(*1)ダークトレーディング:市場に大きな影響を与えない方法で株式などを売買するための取引方法を指す言葉。

カナダでは、昨年12月に仮想通貨取引所「QuadrigaCX(クアドリガCX)」でCEOが急死したことによって「顧客から預かっていた1億4,500万ドル(約160億円)相当の仮想通貨が保管されているウォレットにアクセスできなくなる」という深刻な問題が発生し、世界的に大きな話題となりました。

同取引所では顧客資産を保管しているウォレットにアクセスするためのパスワードを知っている人物が急死したCEOだけであったため、このような問題が発生しています。

カナダ証券管理局は今回公開された文章の中で、仮想通貨取引プラットフォームに関連するリスクについて詳しく説明を行ない、利用者に注意を呼びかけています。

多くのプラットフォームは利用者の暗号資産を管理しています。(例えば、利用者の暗号資産を”分散元帳単一のアカウント”にプラットフォームの秘密鍵で保管したり、プラットフォームの関係者が秘密鍵を保持していたりします。)

プラットフォームには、利用者の資産を自社の資産から分離していなかったり、それらの資産を保護するために必要なプロセスと管理力を有していない場合があります。これにはプラットフォームが保有しているウォレットの秘密鍵の維持と保護も含まれます。

空売りは、資産の価格が下落している場合に「売り」のポジションを持つことによって利益を得ることができる一般的な取引方法であり、トレーダーの人々は下落相場で利益を出すためや、購入している資産のリスクを減らすためなどにこの方法を利用しています。

現時点ではあくまでも提案されている段階であるため、実際に「空売り」や「証拠金取引」が禁止されることになるかどうかはわからないものの、正式に禁止されることになれば、カナダの市場にも大きな影響が出ると予想されます。