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Uber(ウーバー)がビットコイン決済導入する日は来るのか?個人的に対応するドライバーも


世界中で利用されている人気の配車アプリ「Uber(ウーバー)」は、今のところは「仮想通貨による支払い」を受け入れていないものの、一部のUberドライバーはすでにビットコイン(Bitcoin/BTC)で料金の支払いを受けていると報告されています。このような現状に対してUber側がどのような対応をとるかは今のところ定かではないものの、もし正式に「暗号資産の使用」が認められれば、両者の市場はさらに拡大していくと予想されます。

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Uber(ウーバー)とは?

Uber(ウーバー)とは、アメリカの企業である「Uber Technologies(ウーバー・テクノロジーズ)」が運営している自動車配車ウェブサイトおよび配車アプリです。このアプリは、日本を含む世界70カ国・450都市以上で利用されており、一般のドライバーが自分の空き時間と自家用車を使ってタクシーような仕事をして稼ぐことができるサービスとして注目を集めています。

世界のタクシー業界では、
・わざと遠回りをして高い料金を請求する
・タクシーメーターを倒さずに法外な料金をボッタクる
・領収書を発行しない
といった違法行為が複数報告されているため、「Uber」は乗客がドライバーを評価したり、ドライバーが乗客を評価したりすることができる機能を搭載することによって、健全な環境を構築しています。

おおまかなサービスの仕組みとしては、
1.乗客がアプリで「目的地・料金・乗車場所・車両サイズ」などの情報を入力
2.乗客とドライバーをマッチング
3.ドライバーが乗客を目的地まで送る
4.移動が完了したら「乗客・ドライバー」の両者が互いを評価
5.後日、売り上げをドライバーに振り込み
といった内容になっています。

Uberのサービスは、地域に応じて「現金/クレジットカード/Uber Cash」などの支払い方法を選択することができるようになっていますが、今のところ仮想通貨決済は導入されていません。しかし、一部の地域のUberドライバーはすでにビットコインによる支払いを受け入れているとも報告されています。

BTC決済で乗客を運ぶ「Uberドライバー」

海外で人気の掲示板サイト「reddit(レディット)」に投稿された内容によると、「bjandrus」というユーザーネームのUberドライバーはすでにビットコイン決済を受け入れていると語っています。

しかしUberのアプリはビットコイン決済に対応していないため、このドライバーは別の方法でビットコインによる支払いを受け入れています。具体的には『自身の車に「ビットコイン決済を受け入れる」と表記されたステッカーを貼ることによって事前に乗客にそのことを伝え、乗客がビットコイン決済を選択した場合にはUberへの予約をキャンセルし、個人的に再契約を結び、目的地まで乗客を運んだ後に”Uberの料金計算法”に基づいた料金をBTCで請求する』と説明されています。

この方法は利用規約などの面から考えると実際には”グレーゾーン”に位置する方法であるといえるでしょう。これは「Uberのマッチング機能を利用して、個人的にタクシー業を営んでいる」と解釈することもできるため、いずれは問題になることが予想されます。しかし別のredditユーザーは、bjandrus氏が”予約をキャンセルできるように事前に乗客にビットコイン決済可能であることを伝えている”ため「Uberドライバーの利用規約には全く違反していない」と説明しています。

この議論が最終的にどのような答えで落ち着くことになるかは不明であるものの「今後Uber側はこのような手法に対して何かしらの対応をとる必要がある」ということは間違いないと予想されます。可能性としては「利用規約にそのような行為を禁止する文面が追記される」というのが有力であると考えられます。

ビットコイン決済導入で市場拡大の可能性も?

「グレーゾーンのビットコイン決済」に対してUberがどのような対応をとるかはわからないものの、もしもUber側が「ビットコイン決済の需要がある」ということを前向きに捉えた場合、ビットコインは「急速に成長するUberのサービス」から多大なる恩恵を受け、Uberは「世界中の仮想通貨ユーザー」を巻き込むことができると考えられます。

Uberは2019年4月11日に米国証券取引委員会(SEC)に新規株式公開(IPO)を申請しており、上場時の時価総額は最大1,000億ドル(約11兆円)になるともいわれています。ビットコインの時価総額は2019年4月14日時点で約10兆円とされているため、報じられている通りになるのであれば、Uberはビットコインの時価総額を超えることになるでしょう。

これほどの巨大な市場でビットコインが使用されることになれば、ビットコインはさらに大きく成長することになると予想されます。また、仮想通貨市場も同様に成長を続けているため、ビットコインなどの主流の仮想通貨が直接使用できるようになれば、Uber側も世界中の新たな顧客を獲得できるとも考えられます。正式に仮想通貨決済が認められれば、両方の市場はさらに拡大していくことになるでしょう。

「間接的な仮想通貨決済」はすでに可能

Uberがビットコインを受け入れるかどうかは今のところは不明であるものの、すでに間接的にビットコインでUberの支払いを行うことができるサービスは存在しています。

アメリカの大手仮想通貨取引所であるCoinbase(コインベース)は、ギフトカードサービスを提供している「WeGift」との提携を通じて、Uberなどのギフト券を仮想通貨で購入することができるサービスを提供しています。

間接的にビットコインなどの仮想通貨を用いた支払いができることや、利用規約の抜け穴を使ってビットコイン決済を採用している事例が報告されていることなどを踏まえて考えると、将来的にはUberでもビットコイン決済が受け入れられる可能性あるとも考えられます。