仮想通貨取引所「BITPoint Taiwan(ビットポイント台湾)」のCEOである郭雅寧(グオ・ヤーニン)氏が、今月12日に「BITPoint Japan」で発生した仮想通貨流出事件を受けて『台湾側の顧客資産の保証が確約されなければ、即刻訴訟に踏み切りたい』と述べていることが「コインテレグラフ」の報道で明らかになりました。
確約されなければ「即刻訴訟」
BITPoint(ビットポイント)は、2019年7月12日に発生した仮想通貨流出事件に関する発表で、約30億2,000万円相当の仮想通貨が流出したことに加え、同社が取引システムを提供している”海外取引所”からも約2億5,000万円相当の仮想通貨が流出していることを報告していました。
同社の社長である小田 玄紀(おだ げんき)氏は16日に行われた記者会見の中で、BITPointが取引所を展開している地域としては「韓国・台湾・香港・マレーシア・パナマ・タイなどがある」とは語っていたものの「具体的にどこの取引所どれくらいの仮想通貨が流出したのか」については明らかにしておらず、『具体的な数字を確認した段階で開示させていただきたい』と語っていました。
今回コインテレグラフが報じた内容では、ビットポイント台湾の郭雅寧CEOは「海外取引所から流出した仮想通貨の多くは香港と台湾の取引所から流出している」と語っているとされています。
また同氏は「ビットポイントジャパンに不正流出分ではなく、台湾側の顧客資産の仮想通貨6億台湾ドル分(約21億円分)と1.5億ドル分(約5億円分)の法定通貨を補償することを求めている」とも語っており、「もし補償が確約されなければ、即刻訴訟に踏み切りたい」と述べたとされています。
ビットポイントジャパンの「不適切な対応」を指摘
ビットポイント台湾は、仮想通貨流出事件が発生したことを受けて今月23日からサービスを停止しているため、同取引所のユーザーも資産を引き出すことができないようになっており、サービスの再開日時も未定とされています。
また、同取引所は4月末にもハッキングの被害を受けているため、この当時から日本側に対して”システムの改善”を要望していたものの、改善されていなかったと報告されています。
ビットポイント台湾は先日30日に公開した声明文の中で、仮想通貨流出の発表が行われた時点で「海外取引所への影響」について触れられていなかったことを指摘しており、「14日になって初めて海外取引所での被害が判明したため対応が遅れた」と説明しています。
台湾側はこのようなことを理由に「ビットポイント台湾も被害者である」と主張しており、「台湾の顧客のためにも、引き続きビットポイントジャパンと交渉する」と述べています。
ビットポイントジャパンの広報担当者は「この件について当社は何も聞いていない」と語ったと報告されていますが、ビットポイント台湾の郭雅寧CEOは本日2019年8月1日にビットポイントジャパンの小田玄紀社長と面会し、補償を求めるとされています。また、ビットポイント台湾は8月2日に台湾で記者会見を開くとも報じられています。