プラスチックをリサイクルした繊維製品を製造しているオランダの企業「Waste2Wear」は、海に廃棄されたプラスチックを再利用して製造したリサイクル衣類のコレクションを発表しました。この衣類の原材料として使用された”廃棄プラスチック”などの情報はブロックチェーン上に記録されるため、消費者に人々は素材の出所を確認することができるようになっています。
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リサイクル繊維製品に「完全な透明性」を
オランダのリサイクル衣類製造会社である「Waste2Wear」は、2019年9月17日〜19日にかけてフランス・パリで開催されている国際テキスタイルフェア「PremièreVision」で、ブロックチェーン上でリサイクル素材の情報を追跡することができる”世界初のリサイクル衣類コレクション”を発表しました。
このリサイクル衣類は、海に捨てられたプラスチック製品をリサイクルして製造した繊維から作られており、「プラスチックを回収した漁師の情報」から「完成品」に到るまでのあらゆる情報がブロックチェーン上に記録されているため、企業は顧客に完全な透明性を提供することができると説明されています。
環境問題に対処しつつ、元漁師の生活を改善
Waste2Wearの製品に使用されているプラスチックは、中国・上海付近にある小さな島の沿岸地域から収集されています。現地の漁師の人々は漁の規制によって職を失っているものの、Waste2Wearは「地方自治体」や「地元のNGO(非政府組織)」と協力して、元漁師の人々が海からプラスチックを集めることで収入を得ることができるビジネスモデルを作成しているため、環境問題に対処しつつ、漁師の人々の生活を改善することができるようになっています。Waste2Wearの発表によると、現在は毎週3トン以上の廃棄物が海から収集されているとされています。
100%リサイクルのポリエステル生地は、繊維の数が非常に多い撚りの高いフィラメント糸から作られているため、通気性が高く、非常に快適に着用することができるとのことです。同社が作成している繊維は、スポーツウェア・仕事着・ファンション衣類・学校の制服やバッグなどといった様々な製品に使用されていると伝えられています。
環境問題の解決に取り組んでいる企業でもブロックチェーン技術は積極的に活用されており、今月初めにはドイツの自由民主党が「二酸化炭素(CO2)などの温室効果ガスを削減した人に対して仮想通貨を支払う」というプロジェクトを提案しています。
また、フィリピンでは昨年時点でブロックチェーンやIoTデバイスを用いて”死んだ川”とも言われている「パッシグ川」を浄化するプロジェクトも立ち上がっているため、今後もこのような取り組みは世界各地に広がっていくことになると予想されます。
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