カナダの「Walmart(ウォルマート)」とブロックチェーン開発企業である「DLT Labs」が、貨物の追跡や支払いを自動化するブロックチェーンネットワークを立ち上げたことが明らかになりました。このソリューションを導入することによって「データ管理のコストを大幅に削減することができる」とされています。
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データ管理の自動化で「大幅にコスト削減」
「Walmart Canada」と「DLT Labs」が新たに立ち上げたブロックチェーンネットワークは、分散型台帳技術(DLT)を活用して「配送の追跡」や「取引の検証」を行うことによって、ウォルマートと小売店間の配送や支払いを自動化するシステムだと伝えられています。
このネットワークは、すべてのサプライチェーンや物流データをリアルタイムで管理・統合・同期し、共有されている台帳上でウォルマート・カナダと第三者の貨物グループ間のデータを集約することができるほか、計算を自動化してリアルタイムに請求・支払い・決済を行うことができると説明されています。
また、このネットワークは事業体が従来使っていたシステムを統合することもできるようになっているため、組織は新しい投資を行うことなく簡単に新しいシステムを導入することができるとのことです。
「Walmart Canada」の流通センターは活動の中心地となっており、4,500人以上の従業員と運転手が毎日カナダ全土の店舗に年間8億5,300万件以上の商品を移動しています。これらの商品はサードパーティの輸送機、ウォルマートカナダの180台のトラクター、2,000台のトレーラー、350人以上のドライバーの輸送機を組み合わせて輸送されており、サードパーティのトレーラーは出荷ごとに約200のデータポイントを追跡しているため、ブロックチェーン技術を用いてこれらのデータ管理を自動化することによって大幅にコストを削減することができると説明されています。
このソリューションはWebポータルとモバイルアプリを介して使用できるようになっており、2020年2月1日までには稼働する予定だとされています。ウォルマートはブロックチェーン技術を積極的に導入している代表的な企業であり、今年8月には「ブロックチェーン技術を用いたドローン通信システム」の特許も申請しています。