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日本銀行:ブロックチェーンの「スケーラビリティ問題」に関する論文を公開


日本銀行は2020年1月17日に「ブロックチェーン技術のスケーラビリティ問題への対応」という論文を公開しました。この論文では、ビットコイン(Bitcoin/BTC)やイーサリアム(Ethereum/ETH)などといったパブリック型ブロックチェーンが持つ可能性や問題点に関する詳しい解説が行われています。

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ブロックチェーンの可能性と問題点について詳しく解説

日本銀行が公開した「ブロックチェーン技術のスケーラビリティ問題への対応」には、主にパブリック型のブロックチェーンで重要な課題とされている”取引処理能力拡張の難しさ”に関する説明を行うと共に、「その問題を解決するためにこれまで実施されてきた取り組み」や「現在検討が進められている主な取組み」などが詳しく解説されています。

ビットコイン(BTC)イーサリアム(ETH)などといった特定の管理者が存在しないブロックチェーンは、ネットワークの障害に強く、情報改ざんなどの問題も高い確率で防ぐことができるため、様々な分野への応用に期待が高まっていますが、今回日銀が取り上げている「スケーラビリティ問題(拡張性の問題)」が重要な課題となっています。

今回公開された論文の中では『パブリック型の持つ可用性や完全性のメリットを活用できれば、ブロックチェーンという新技術を活用した決済・金融システムの可能性が広く展望できるようになるため、各国の中央銀行や当局は強い関心を持って最新動向の把握に努めている』と説明を行なった上で、この技術のメリットや問題点を理解できるようにその内容がわかりやすく説明されています。

スケーラビリティ問題の解決策としては、主にビットコインとイーサリアムのブロックチェーンを対象として開発が進められている以下3つの手法が挙げられており、それぞれの項目について解説が行われています。

  1. ブロックチェーンの外に一部取引を移管する手法(オフチェーン・スケーリング)
  2. 既存のブロックチェーンから新たに構築したブロックチェーンに資産を移管し取引を処理する手法(サイドチェーン・スケーリング)
  3. 検証対象取引と検証参加者(ノード)を複数のグループに分割し検証作業を分担する手法(シャーディング)

今後もブロックチェーン関連の動向を注視

ブロックチェーン技術はすでに複数の国の中央銀行などで活用が検討されていますが、日本銀行も『決済システムの安全性と効率性を改善していくために、新しい技術の動向やこれが決済手段に与える影響等について十分に把握しておく必要がある』と述べており、『欧州中央銀行との間で、分散型台帳技術に関する共同調査(Project Stella)に取組んでいるのもその一例である』と説明しています。

また、論文の最後では『日本銀行としては、今後も新技術の動向や影響等について積極的に調査を行っていく方針である』と説明されているため、今後もブロックチェーン技術の動向をまとめた論文が定期的に公開されると期待されます。

今回の論文では「スケーリング問題」に関する内容が比較的簡潔にまとめられているため、詳しい内容を知りたい方は以下のリンクから論文を読んでみると良いでしょう。
>>「日本銀行」が公開した論文はこちら