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Bybit:BTC/USDTの「無期限契約」を導入|特徴・メリットなどを詳しく解説


仮想通貨デリバティブ取引所「Bybit(バイビット)」は、新たにBTC/USDTの「無期限契約」を導入することを発表しました。価格変動幅が大きい時期でも注文が通りやすい同取引所は、取引量ランキングでも上位に位置づけられています。

こちらから読む:USDT無期限契約を開始「Bybit」関連ニュース

注目を集める仮想通貨デリバティブ取引所「Bybit」

Bybit(バイビット)は、100倍のレバレッジをかけることができる仮想通貨デリバティブ取引所であり、サービス開始からわずか1年で急速に成長している仮想通貨鳥取引所として注目を集めています。

BTC暴落時も安定して運営

2020年3月12日〜13日にかけてビットコインの価格は50%以上暴落し、80万円前後で取引されていたBTCは一時的に40万円台まで急落しました。この急落は有名な仮想通貨取引所にも影響を与えており、Bybitと同じく100倍のレバレッジをかけることができる「BitMEX(ビットメックス)」では一時的に取引が停止、14日は同取引所に対してサービス拒否攻撃(DDoS攻撃)があったことが発表されました。

仮想通貨市場の暴落によって、多くの仮想通貨取引所で”注文が通りづらい”という問題が発生していましたが、Bybitは今回の暴落時にも安定した運営を続けていたことが報告されており、BybitのBen Zhou(ベン・シュウ)CEOは『我々はかなり安定しており、大きな問題も起きなかった』と語っています。

ビットコインはボラティリティ(価格変動幅)が大きいことでも知られていますが、注文が通らなかったり、取引が一時停止になってしまった場合には利益確定のタイミングを逃すことにつながる可能性がり、場合によって大きな損失につながる可能性もあります。

今回のような暴落時にも取引所が安定して運営されているということは、重要なタイミングでも安心して取引できることを意味します。Bybitは2019年に様々な理由によって30分間だけダウンしたことが1度だけあるものの、それ意外の1年間は正常に運営されていたと報告されています。

取引量ランキングでも上位に君臨

Bybit(バイビット)は2020年3月13日に70億ドル(約7,700億円)という”過去最高の取引高”を記録しました。同取引所の1日の平均取引高は10億ドル〜15億ドル(約1,100億円〜1,650億円)であり、以前の過去最高取引高は40億ドル(約4,400億円)であったと報告されているため、13日の取引高がいかに大きいものであったかがわかります。

順調に取引量を増加させているBybitは「CoinMarketCap、CoinGecko、Skew」などとのウェブサイトにおける、デリバティブ取引所の取引量ランキングでも上位に位置づけられており、「CoinMarketCap」では2020年3月30日時点で”3位”にランクインしています。

(画像:CoinMarketCap

Bybit「USDT無期限契約」登場

Bybit(バイビット)のCEOであるBen Zhou(ベン・シュウ)氏は、2020年3月23日にYouTube上でインタビューのライブ放送を行い「テザー(Tether/USDT)の無期限契約」や「新たな複数の新機能」について説明を行いました。

USDT無期限契約では以下4銘柄との取引ペアが提供されることになっており、2020年3月25日にリリースされた「USDT無期限契約ベータ版」ではBTC/USDTの取引ペアのみが提供されています。
・ビットコイン(Bitcoin/BTC)
・イーサリアム(Ethereum/ETH)
・エックスアールピー(XRP/XRP)
・イオス(Eos/EOS)

BTC/USDT無期限契約の概要

契約:BTC/USDT
種類:無期限契約
ベース通貨:BTC
クオート通貨:USDT
決済通貨:USDT
契約バリュー:1BTC/契約
維持証拠金:0.5%から(契約バリューによって証拠金率は算出される)
最低価格変化:0.01USDT
最小契約サイズ:0.001ユニットの契約

USDT無期限契約には「テザー(Tether/USDT)」が評価および決済単位として使われています。契約証拠金/口座損益はUSDTで計算、確定されます。

【テザー(Tether/USDT)とは】
テザー(Tether/USDT)は、法定通貨米ドル(USD)に基づくステーブルコインです(1USDT=1USD)。つまり、テザーが発行する1USDTごとに、会社の銀行口座には1USDの資金が必要です。USDTは、同額の米ドルに相当すると見なすことができます。したがって不安定なデジタル通貨市場において、USDTは安定性とヘッジの特性があり、市場変動による損失を回避できます。

USDT無期限契約の基本コンセプト

BTC/USDTの価値はBTCの価値であるように、契約数量は取引数に相当します。

USDT無期限契約の損益割合および基礎となる価格変動の割合は直線です。その直線の倍率はレバレッジ(証拠金取引)倍率によって決定されます。これは株式や外国為替のレバレッジ取引ロジックと同じで、利益計算は簡単です。

*以下のチャートはロングポジションBTC損益割合と価格の関係を表しています。

このチャートが示す通り、直線はUSDT無期限契約で取得できる損益の割合を表し、曲線は「インバース無期限契約」ポジションによって得られる損益割合を表しています。インバース無期限契約では、証拠金の決済は、ビットコインを使用して計算されるため、BTCの市場価格が下がれば、トレーダーの証拠金はその分目減りすることになります。

*以下のチャートは、ショートポジションBTC損益割合と価格の関係を表しています。

このチャートが示す通り、「インバース型無期限契約」でユーザーがショートポジションを保持する場合、BTC価格が下がるとトレーダーはより多くのBTCを獲得できるほか、BTC価格が上がったとしても、トレーダーの損失は少なく済みます。
これは、USDT無期限契約の米ドル・エクスポージャーが固定されているためです。この図から価格トレンドがどのように発展しても、ポジションのBTC損益割合は価格と線形関係にあることがわかります。そしてインバース無期限契約と比較しても、USDT無期限契約は理解しやすいでしょう。つまり、プロのトレーダーでない一般投資家にとっても、市場急変時のリスクを比較的制御しやすくなりと言えます。

損益計算

契約損益=契約数量x(平均決済価格-平均参入価格)
ロングポジション:損益率=(平均決済価格/平均参入価格-1)*レバレッジ
ショートポジション:損益率=(1-平均決済価格/平均参入価格)*レバレッジ

例1:価格が10,000USDTの時2つのロングBTC契約を20倍レバレッジで買い、価格が11,000USDTの時に決済した場合
損益=2x(11000-10000)=2000USDT
損益率=(11000/10000-1)x20=200%

例2:価格が10,000USDTの時3つのショートBTC契約を5倍レバレッジで売り、価格が8,000USDTの時に決済した場合
損益=-3x(80000-10000)=6000USDT
損益率=(1-8000/10000)x5=100%

プロセス全体でUSDTを使用して損益を計算するので、より直感的に理解できます。例1では、トレーダーがUSDT契約取引で2,000USDTの利益を上げた時、2,000USDTが2,000USDの値に対応することがわかります。

要約すると、USDT無期限契約には、インバース無期限契約と比較して以下の利点があります。

USDT無期限契約のメリット

直感的に損益の表示がわかりやすい

USDT無期限契約は「直感的に損益の表示がわかりやすい」という利点を備えています。

新しい戦略アラートと注文システムにより、トレーダーは、Bybitアプリの価格チャートにインジケーターを設定でき、価格変動によってトリガーされた場合にアラートが受信できます。

両建てポジション(ロングとショートを同時保有することが可能)

投資市場にはさまざまなトレーダーが存在しており、市場で異なる判断を行います。独自の取引戦略を使用したり、同じ契約下でロングポジションとショートポジションを両建てし、臨機応変な投資手段を選択するかもしれません。

BybitのUSDT無期限契約は、トレーダーがポジションと損益をヘッジするのに便利となる同じ契約下でロングとショートポジションを保持することをサポートします。クロスマージンモードでトレーダーがロングとショートの両方のポジションを両建てしようとする場合、2つのポジションの未実現利益と損失は共有され、ロングとショートポジションの利益が価格変動の影響を受けず清算されないようにします(*以下で詳しく説明します)。分離マージンモードでは、ロングとショートポジションに違うレバレッジを使用でき相互は影響せず、独立しています。

例:
トレーダー、デレクさんはビットコイン(BTC)の長期的な強気相場を期待しており、現在10BTCのロングポジションを保有しています。しかし、新たな規制関連政策が、BTCの価格変動にリスクをもたらす懸念もあり、影響をコントロールするために、あらかじめポジションを半分クローズするつもりです。

5つのBTCロングポジションの部分的決済する以外、どのようなオプションがありますか?

前述のヘッジされたポジション関数を使用します。
つまり、ポジションを半分にするという目的を達成するために、彼は短期的に5つのBTCショートポジションをオープンすることを選択可能です。

例:
デレクは長期にわたって10BTC分のロングポジションを保持しており、2xレバレッジを使用しています。
しかし突然、大口投資家のダンピング(投げ売り)によって市場がパニックとなったため、BTCの市場価格は短期的に弱気になると彼は考え、短期的な利益のため、25BTC分のショートポジションを建てようと考えました。

彼は何をすべきでしょう?

解決策1:
分離マージンで、20倍レバレッジで25BTCを売却します。短期的に価格が下落した場合、利益を上げて市場から撤退可能です。しかし市場のパニックが沈静化し、トレンドが上向きになったとしても、このショートポジションは清算され、ロングポジションには影響しません。

解決策2:
10BTCのロングポジションを決済し、20倍レバレッジで15BTCのショートポジションをオープン(新規建て)します。ロングポジションを決済したことで、ショートポジション15BTCだけとなって、必要な証拠金の負担は低下します。短期的な投機機会が終わった後、10BTCのロングポジション保有に戻ります(*注意:10BTCのロングポジションを決済するだけでは完了できません)。

資金利用率最大化:共有された未実現損益

BybitUSDT無期限契約は、以下の機能も提供しています:
クロスマージンモードでは未実現利益は新しいポジションを開くために使用、引き落としが可能です。
取引アカウントの全ポジションの損益を共有する「クロスマージンモード」では、未実現利益が口座の利用可能残高を増加させる場合、未実現損失は口座の利用可能残高を減少させます。

対照的に、Bybitインバース無期限契約の未実現利益は共有されず、利用可能残高に含まれません。また未実現損失は利用可能残高から差し引かれます。
USDT無期限契約によりトレーダーの資本利用が改善され、より効果的なレバレッジが達成されていることがわかります。そしてトレーダーは必要に応じていつでも利用可能残高からの出金が可能です。
しかし、出金によりクロスマージンモードでの全ポジションの証拠金が減少し、清算されるリスクが高まることに注意してください。

未実現利益と損失は、いつ決済されますか?

リアルタイム決済です。

Bybitは未実現損益をリアルタイムで実現損益に変換し、トレーダーは既存のポジションの実現利益を使用して新しいポジションを開いたり、リアルタイムでの出金が可能です。

現在、BybitはBTCUSDTのみを開始しています。他のUSDT無期限契約(ETH/USDTなど)のローンチ後、クロスマージンモードでのすべてのUSDTマージン契約の未実現損益は資本使用率を最大化するために共有されます。

複数の契約が保険基金を共有する

トレーダーが仮想通貨市場で分散投資を検討する場合、ビットコイン(BTC)は最良の選択です。BTCと比べ他の暗号資産の流動性や取引量は大幅に低く、保険基金に蓄積された金額も低くなっているからです。

同時にこれらの仮想通貨は、より大きな価格変動に直面しています。これにより契約損失のリスクが高くなり、保険基金の累積額がさらに枯渇する事になります。つまり契約トレーダーは自動デレバレッジ(ADL)のリスクが高くなります。

このようなリスクを減らすために、全BybitUSDT無期限契約では同じ保険基金を共有しています。これはBTC契約保険基金で他のマイナー通貨を補助するということです。

保険プールのもともと目的は、プラットフォームが契約損失のリスクに直面することを防ぎ、トレーダーがADLのリスクに直面するのを防ぐことです。過去のデータも考慮すると、主要取引所のBTC契約は相当額の保険基金を蓄積しており、大半の変動による損失を防ぐことができます。

この複数契約共有保険基金モードでは、契約トレーダーの安全性、及び利益を保護するものと考えられています。

※複数契約共有保険基金モードは、複数の契約をローンチ後のみ適用可能

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