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【日本初】デジタル地域通貨「白虎/Byacco」会津大学内で正式運用へ:ソラミツ


ソラミツ株式会社は2020年6月4日の発表で、同社が共同開発したブロックチェーン・デジタル地域通貨「白虎(びゃっこ/Byacco)」を2020年7月1日から福島県会津若松市の会津大学内で正式運用することを発表しました。同社によると、ブロックチェーン技術を活用した日本円と同等の価値を持つデジタル地域通貨が店舗などで正式に運用されるのは今回が初であるとされています。

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白虎(びゃっこ/Byacco)とは

白虎(びゃっこ/Byacco)とは「ソラミツ株式会社・有限会社スチューデントライフサポート・株式会社AiYUMU」が共同開発した複数のデジタル地域通貨をつなぐ相互運用可能な決済・送金を目指すトークン型のデジタル地域通貨であり、ソラミツが原型を開発したブロックチェーンである「Hyperledger Iroha(ハイパーレジャーいろは)」を活用して開発されています。

このデジタル地域通貨は、ソラミツがカンボジア国立銀行と共同開発した世界初の中央銀行デジタル通貨(CBDC)「Bakong(バコン)」の技術を活用して日本向けに最適化したものであり、日本円と価値が連動するように設計されています。「白虎」の主な特徴としては以下の6点が挙げられています。

  1. ブロックチェーンを活用し、データ自体が現金と同等の価値を持ちファイナリティがあり、日本円と連動するデジタル通貨(XST-JPY)の店舗などでの本番正式運用としては日本初
  2. カンボジア国立銀行と共同開発し、既に本番正式運用されている中央銀行デジタル通貨「バコン」デジタル通貨(XST-USD, XST-KHR)の技術・実績を活用
  3. 圧倒的な低コストと強固なセキュリティ、高い処理能力、高い安定性を両立させたデジタル地域通貨を様々な地域にスピーディに提供・カスタマイズが可能
  4. 通常のキャッシュレス決済が実現していない”転々流通”を実現し、個人間・企業間の決済・送金や企業内の経費清算などをスピーディに実施し、業務効率の向上、少子化対策、資金繰りを改善
  5. 二重支払いや偽造を防止し、2秒以内の支払いや毎秒数千件の取引を実現するブロックチェーン「ハイパーレジャーいろは」を活用
  6. 現金を徐々に代替して行き、紙媒体を使用せず非接触で決済が行われるため、新型コロナ等の感染症対策に有効であり、個人や企業への現金支給や支援なども安全かつ確実・スピーディに実施が可能

(画像:ソラミツ株式会社/プレスリリース)

会津大学内の「売店・カフェテリア」などで運用

白虎(びゃっこ/Byacco)は2017年3月から会津大学内で実証実験が行われていたため、7月から始まる本番運用ではそれらの経験・実績を生かして正式に運用されることになります。

具体的には、2020年7月1日から「SLS」が運営する会津大学内の売店やカフェテリアなどで運用されるとのことです。なお、デジタル地域通貨「白虎」の発行者はSLSであり、利用可能な店舗もSLSが運営しているため、資金決済法の自家発行型に準拠して運営すると説明されています。

白虎(びゃっこ/Byacco)を用いた支払いは一般的なキャッシュレス決済と同様にスマートフォンで行うことができますが、その他のキャッシュレス決済サービスとは違い、店舗側が即座にデジタル通貨を受け取ることができるようになっているため「月末締め翌月払い」のような後日の資金清算や「振込指示・着金確認」の必要がなく企業の業務を大幅に削減することができるようになっています。

デジタル地域通貨の「今後の展開・将来構想」について

ソラミツ株式会社は「デジタル地域通貨の今後の展開・将来構想」として以下の5点を挙げています。

  1. 圧倒的な低コストかつスピーディな開発・カスタマイズにより、他様々な地域やスマートシティなどでのデジタル地域通貨を順次展開予定
  2. ブロックチェーン同士がつながるため、他様々な地域やスマートシティなどのデジタル地域通貨同士をつなげていき「相互運用」を実現
  3. カンボジアの「バコン」(XST-USD, XST-KHR)など、海外のデジタル通貨と接続することによりクロスボーダーの送金や決済を実現
  4. スマートコントラクトを活用した、税金や利用料の自動支払いやデジタル資産・暗号資産などの所有権移転と決済の同時処理などが可能に
  5. 将来の日本や海外の中銀デジタル通貨との連携

ソラミツは「様々な地域やスマートシティなどにおけるデジタル地域通貨の導入を容易・スピーディ・低コストに実施すること」や「それらのデジタル地域通貨同士を容易に接続する”相互運用”」が可能であるため、それらの利点を生かして様々な自治体や金融機関が発行するデジタル通貨の相互運用を可能とする「自治体共通プラットフォーム」の実現を目指すと説明しています。

また、カンボジア中央銀行の「バコン」でタイマレーシアとの”クロスボーダー送金システム”の開発が進められているように、「白虎」でも他国のデジタル通貨などと連携することによってクロスボーダー取引へと発展する可能性があると説明されています。

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