フィリピン中央銀行(Bangko Sentral ng Pilipinas)が「中央銀行デジタル通貨(CBDC)を発行する際の実現可能性や政策への影響」を検討するための委員会を設立したことが「Bloomberg」の報道で明らかになりました。
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「独自デジタル通貨を検討するための委員会」を設立
フィリピン中央銀行(Bangko Sentral ng Pilipinas)は2018年時点でも『中央銀行デジタル通貨(CBDC)に関する調査を進めている』と報じられていましたが、「Bloomberg」の報道によると、フィリピン中央銀行の総裁であるBenjamin Diokno(ベンジャミン・ジョクノ)氏は水曜日に『独自デジタル通貨を発行することの実現可能性と政策への影響を検討するための委員会を設立した』と語ったとされています。
ジョクノ総裁は「CBDC発行」に関する最終決定を下す前には、事前に調査を進めることが重要だとしており、バーチャル説明会の中で『決定を下す前に、まずはグループの調査結果を確認する必要がある』と語ったと報じられています。最初の研究結果は2020年8月に発表される予定だと伝えられています。
中央銀行デジタル通貨(CBDC)に関する調査・研究はここ最近で国際的に本格化してきており、今月12日には主要20ヵ国・地域で構成される「G20」が”デジタル通貨を事実上容認する方向で調整に入ったこと”が報告されている他、今月20日には日本銀行(日銀)が決済機構局に「デジタル通貨グループ」を新設したことも明らかにされています。
しかしながらジョクノ総裁は『現時点でデジタル通貨の普及が法定通貨の需要に影響を与えているようには見えない』とも語っているとのことで、フィリピン中央銀行が仮想通貨よりも「ブロックチェーン技術」を重要視していたことを明かしています。
「中央銀行デジタル通貨に関する研究」は日本を含めた様々な国で進められていますが、正式に『CBDCを発行する』と決定している国は少なく、現時点では多くの国がその実現可能性や影響を調査するために研究を進めています。しかし、今後はそのようなCBDC研究チームの調査結果が続々と報告されていくことになると予想されるため、今後の新しい発表にも注目です。