三菱UFJ信託銀行は2022年2月21日に、株主優待などの特典・特定の資産やサービスに関する利用権や会員権などの権利を”ユーティリティトークン”として発行することができる「Progmat UT(プログマユーティー)」と、各種デジタル資産を保管することができるウォレットサービスの開発を開始することを発表しました。
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「Progmat UT」と「ウォレット」の開発を開始
三菱UFJ信託銀行は2022年2月21日に、株主優待などの特典・特定の資産やサービスに関する利用権や会員権などの権利を”ユーティリティトークン”として発行することができる「Progmat UT(プログマユーティー)」と、各種デジタル資産を保管することができるウォレットサービスの開発を開始することを発表しました。
同銀行は以前から暗号資産関連の取り組みを続けており、2019年11月には「セキュリティトークン研究コンソーシアム」とブロックチェーンを活用した次世代金融取引サービスである「Progmat(プログマ)」を発表、最近ではセキュリティトークン研究コンソーシアムを2022年4月に「デジタルアセット共創コンソーシアム」へと改組することや、同コンソーシアムの会員企業数が84社まで拡大したことなども報告されています。
Progmat(プログマ)は、ブロックチェーン技術を活用して発行されるデジタル証券「セキュリティトークン」を発行・管理することができるプラットフォームであり、今月9日にはステーブルコインの発行・管理基盤である「Progmat Coin(プログマコイン)」を提供する予定であることなども発表されていましたが、今回の発表ではセキュリティトークン保有者に対して配当や権利などをNFT形式で提供できる『Progmat UT』を開発することが発表されています。
Progmat UT(プログマユーティー)について
Progmat UT(プログマユーティー)は、株主優待などの特典や特定の資産やサービスに関する利用権や会員権などの権利を”NFT”の形式で発行して移動できる仕組み・プラットフォームであり、現在はこの技術の特許も出願していると説明されています。
この技術を活用することによって、優待券や会員証などといった”紙”を使用したアナログ処理が不要になり、デジタル上で発行・利用・移転・管理を行うことができるようになるとのことで、具体的には以下のような価値を提供することができるようになると説明されています。
【各種権利の利用者に提供できる付加価値】
- 利用都度券面を持参する必要がなく、スマートフォンがあれば一元的な手元管理のほか、随時権利行使が可能
- 異なるアプリケーションサービスを跨いで、個人間で柔軟に譲渡することが可能
【各種権利の提供者に提供できる付加価値】
- 券面の印刷や紙管理、配送等に伴うコストを極小化
- UTの利用状況や移転状況について、リアルタイムで把握が可能
- 譲渡制限等をUTにプログラムすることで完全に統制することも可能
また「セキュリティトークン投資」と「Progmat UT」を組み合わせることによって、投資額や保有年数などを踏まえて投資対象に関連するユーティリティトークンを付与する『ファンマーケティング』を行うことができるようになるとも説明されており、「ファンマーケティング」では各投資家が「投資主兼ファンユーザー」としてロイヤルカスタマー化することで、以下のような更なる付加価値の提供を目指すと説明されています。
【セキュリティトークン投資家に提供できる付加価値】
自分自身のUT利用や、自分では使いきれない場合等にUTを譲渡した他者の利用を通じて、投資対象の価値の向上に繋がり、保有するSTのリターンとして還元されることで、Win-Winの関係性を築くことが可能
【セキュリティトークン発行企業に提供できる付加価値】
投資を入口にエンゲージメント(“同じ船”意識)の高い顧客基盤を構築できるため、従来のマーケティングにおいて認知・関心の獲得と維持に要していたコストを極小化
デジタル資産用ウォレットサービスについて
今回の発表では「Token Wallet」と「Token Manager」と呼ばれる2つのデジタル資産用ウォレットサービスを提供することも発表されています。
「Token Wallet」は各種デジタル資産保有者向けのモバイルアプリとなっており、「Token Manager」はセキュリティトークン・ステーブルコイン・ユーティリティトークン発行体企業向けのWebアプリとされています。
これらのウォレットサービスは2022年内に「β版」がリリースされる予定であるとのことで、最初はユーティリティトークンを対象とした実証実験が可能となる環境を整備すると説明されています。