Terraform Labsが発行するアルゴリズム型ステーブルコイン「TerraUSD(UST)」のペッグ崩壊で各種仮想通貨の価格急落が続いている一方で、世界中の様々な暗号資産取引所で基軸通貨として採用されている代表的なステーブルコイン「テザー(Tether/USDT)」の価格までもが下落し、仮想通貨投資家の間で警戒感がさらに高まっています。
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USTに続き「USDT」でも下落傾向
Terraform Labsが発行するアルゴリズム型ステーブルコイン「TerraUSD(UST)」の価格は本来「1UST=1米ドル」で安定して推移するべきものであるものの、今月8日以降はUSTの価格安定性が崩壊し、先日11日には「1UST=0.3ドル」まで急落、その後もUSTの乱高下は続き、記事執筆時点のUST価格は「1UST=0.68米ドル」となっています。
USTのペッグ崩壊はその他の暗号資産価格にも深刻な影響を及ぼしており、現在はUSTの価格維持に密接な関係がある仮想通貨「LUNA」など様々な仮想通貨の価格が暴落していますが、その一方では代表的なステーブルコインである「テザー(Tether/USDT)」の価格にも影響が見られ始めているため、仮想通貨業界では今後のさらなる価格暴落により一層警戒感が高まってきています。
テザー(Tether/USDT)は世界中の様々な暗号資産取引所で基軸通貨として採用されている代表的なステーブルコインであり、USTと同様に「1USDT=1米ドル」の価格が維持されるように設計されています。
USTの価格急落時のUSDT価格はそれほど大きく変動していなかったものの、先日11日の夜以降はUSDTでも価格の急落が発生しており、22時頃には「1USDT=0.993米ドル」まで急落、その後も下落傾向は続いており、記事執筆時点では「1USDT=0.994米ドル」で推移しています。
法定通貨取扱いなしの取引所ユーザーは要注意
TerraUSD(UST)がアルゴリズムを用いた「無担保型ステーブルコイン」であるのに対して、Tether(USDT)は米ドルの裏付け資産が存在する「法定通貨担保型ステーブルコイン」であるため通貨の仕組み自体は異なるものの、現状のUSDT価格は米ドル価格と乖離しつつあるため、仮想通貨コミュニティではUSDTの動きを不安視する声が多数出ています。
世界中の大手暗号資産取引所で基軸通貨として採用されている「USDT」の価格安定性が崩壊した場合には、USDT取引ペアをメインに取り扱っている暗号資産取引所での避難先がなくなり、仮想通貨市場全体に大きな混乱が起こる可能性もあるため、『仮想通貨全体の信頼低下にも繋がりかねない』との懸念も広がっています。
その他の米ドルステーブルコインは以前として「1コイン=1米ドル」の価格を維持していますが、今後もこのような混乱の影響が広がる可能性はあると予想されるため、法定通貨の取り扱いがない暗号資産取引所を利用している場合は今後の動きに警戒が必要であると考えられます。
代表的な米ドル連動ステーブルコインの現在価格一覧