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ウクライナの銀行「Stellar(XLM)活用した電子マネー」に関する調査結果を報告


ウクライナの老舗商業銀行である「TASCOMBANK」は2023年1月12日に『ステラ(Stellar/XLM)のブロックチェーンネットワークを活用した電子マネー発行』に関する実証実験の調査結果レポートを発表しました。TASCOMBANKは今回のレポートで、ブロックチェーン上で電子マネーを発行するメリットを複数挙げています。

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透明性・機密性・取引コスト・決済速度などに利点

ウクライナの老舗商業銀行である「TASCOMBANK」は2023年1月12日に、ステラ(Stellar/XLM)のネットワークを活用した電子マネー発行に関する実証実験の調査結果レポートを発表しました。

ステラ(Stellar/XLM)を開発している「ステラ開発財団」は2021年1月に中央銀行デジタル通貨(CBDC)の開発や仮想通貨エコシステムの構築に向けて「ウクライナのデジタル改革省」との覚書に署名しており、TASCOMBANKはデジタル改革省の支援を受けて2021年12月から『発行者向けの資産管理機能を備えたオープンブロックチェーンでの電子マネー発行』に関する実証実験を行っていましたが、今回の発表ではこの調査結果に関するレポートが公開されています。

この実証実験は「P2P取引・商業決済・給与計算」などに焦点を当てたものとなっていましたが、今回の発表では「ブロックチェーン上で電子マネーを発行するメリット」として以下のような点が挙げられています。

なお、今回作成されたレポートは、ウクライナ国立銀行やデジタル改革省に「ブロックチェーン上で電子マネーを発行する利点」について情報共有する目的で使用されるとのことです。

TASCOMBANKの副会長であるSergii Kholod氏、ウクライナ国立銀行の副総裁であるOleksii Shaban氏、デジタル変革担当副大臣であるOleksandr Bornyakov氏、ステラ開発財団のCEOであるDenelle Dixon氏は、公式発表の中で次のようにコメントしています。

【TASCOMBANK:Sergii Kholod氏】
私たちは実証実験の一環として、電子マネーを発行・管理する新しい方法を模索しました。これはウクライナの市民や組織、その従業員や顧客、政府機関、国際機関のための次世代決済手段となる可能性があります。実証実験の結果、将来的にブロックチェーンソリューションに対して銀行のインフラを開放する可能性が開かれました。TASCOMBANKは全ての規制要件を満たすことを考慮した上で、ブロックチェーン上の資産を用いた適切な金融サービスを提供することができます。

【ウクライナ国立銀行:Oleksii Shaban氏】
実証実験の枠組みの中で研究・検証すべき仮説はまだたくさんあります。しかし、実証実験の結果は商業銀行や中央銀行の専門家が分析して業務に活かすための重要な材料となります。私たちは、TASCOMBANKのイノベーションに対する意欲を賞賛すると共に、ウクライナの決済事情をさらに発展させるための基礎となり得る研究資源を提供してくれたことに感謝します。

【デジタル変革担当副大臣:Oleksandr Bornyakov氏】
試験運用を行った結果、ブロックチェーンの主要な利点が証明されました。具体的には「取引の高速処理と費用対効果、システムの説明責任と透明性、金融サービスへのアクセス簡素化」などです。デジタル改革省とTASCOMBANKは、ブロックチェーンを基盤とした決済手段のさらなる市場導入に向けたアプローチを検討しています。

【ステラ開発財団:Denelle Dixon氏】
ステラは資産発行のために設計されています。今回の試験的な調査結果は、企業・政府・市民にとってこの技術が潜在的に有用であることを示すものです。オープンソースの技術で、TASCOMBANKのような革新的企業が、MDTの支援を受けて、安全で相互運用性があり、規制基準を満たす仮想資産を構成できることが確認されました。このパイロットは、ステラ上に構築された現実世界のソリューションを証明し、ウクライナで仮想資産をより多く採用するための土台となると考えています。

>>「TASCOMBANK」の公式発表はこちら