パラオステーブルコインの試験運用を開始
Ripple社は2023年7月26日に、パラオ共和国とリップル社が共同で進めているステーブルコインプロジェクトが第1段階目の試験運用期間に突入したことを発表しました。
パラオ政府とリップル社が協力して開発しているステーブルコインは、通貨1枚の価格が1米ドルの価格に連動するように設計された米ドル連動ステーブルコインであり、パラオステーブルコイン(PSC)や「Kluk」という名称で呼ばれています。
このステーブルコインでは、リップル社が今年5月に発表した中央銀行デジタル通貨(CBDC)のプラットフォームが活用されているとのことで、仮想通貨XRPなどでも利用されている分散型台帳XRP Ledger(XRPL)を基盤にしていると報告されています。
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安全で便利な決済手段を「手数料無料」で
パラオステーブルコイン(PSC)の試験運用は段階的に進められる予定で、最初のテストには地元の商店でPSCを使用することを志願した約200人の政府職員が参加しています。
発行されたPSCはテストに参加している地元商店での支払いに利用することが可能で、「パラオステーブルコインは他のオンライン決済サービスよりも効率的で、安全かつ透明性の高い便利な支払い方法を”手数料無料”で提供する」と説明されています。
PSCテストの第一段階では、パラオ市民の信頼を得るために以下のような成功基準が定められており、第一段階のテストが成功した場合には次のステップで提供範囲が拡大される予定だと報告されています。
【第一弾テストの成功基準】
- パラオ財務省が安全かつ確実にPSCの発行・配布・償還処理を行い、24時間365日リアルタイムで流通総額を完全に管理できること
- パラオ政府職員が特定の小売店での買い物にPSCを使用し、シームレスなPOS取引ができること
- パラオの小売業者がPSCによる支払いを安全かつ確実に受け取り、確認できること
なお、今回のパイロットプロジェクトでは、2ヶ月後に評価が行われた後に、その提供範囲をさらに拡大するかどうかが決定されることになると説明されています。
リップル社はCBDCの発行について20以上の政府と協議を行なっているとも報じられているため、パラオステーブルコインの試験運用で良い結果が出た場合には、同社のCBDCプラットフォームを活用する事例がさらに増えていく可能性があるとも期待されます。
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(Ripple発表)