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国税庁「仮想通貨取引を行う個人の税務調査」を積極的に実施|所得税・消費税などの調査状況報告

所得税・消費税などの調査レポートを公開

日本国税庁は2023年11月22日に「令和4事務年度における所得税及び消費税調査等の状況」を公開しました。今回の報告書では、暗号資産取引を行なっている個人に対する調査状況についての報告もなされています。

このレポートでは「富裕層・海外投資等を行なっている個人・インターネット取引を行っている個人・無申告者・消費税の還付申告者」に関する調査状況が報告されている他、「所得税の不正還付申告書の課税処理の状況」についての報告もなされています。

仮想通貨に関する内容は「3.インターネット取引を行っている個人に対する調査状況」の項目に記載されており、『暗号資産取引等を含め、調査件数や追徴税額は高水準』と報告されています。

申告漏れなどの違反件数は増加傾向

国税庁は暗号資産などの取引を行なっている個人を対象とした資料情報の収集・分析を積極的に実施しているとのことで、前年度の実地調査件数が444件だったのに対して、令和4事務年度は615件の実地調査を実施したと説明されています。

前年度との比較では「申告漏れなどの違反件数・申告漏れ所得金額・追徴課税額」が全て増加しており、「違反件数は405件から548件に増加、申告漏れ所得金額は162億円から189億円に増加、追徴課税額は53億円から64億円に増加した」と報告されています。

1件当たりの申告漏れ所得金額は3,659万円から3,077万円に減少、1件当たりの追徴税額は1,194万円から1,036万円に減少しているものの、追徴税額の総額は53億円から64億円に増加しています。

(画像:国税庁)

追徴課税とは、税務調査で申告漏れや無申告が発覚した場合に”本来の納税額との差額”を支払うことであり、場合によっては不足税額に加えて「延滞税」や「加算税」などの附帯税が課される場合もあります。

加算税には「過少申告加算税・無申告加算税・不納付加算税・重加算税」など種類があり、申告漏れや脱税があった場合だけでなく、些細なミスや勘違いなどがあった場合にも加算税が課せられる可能性があるため注意が必要です。

2023年は仮想通貨市場全体で価格上昇が見られていますが、仮想通貨の売買や決済利用などで一定の利益が出ている場合には、損益計算・確定申告を行なった上で税金を支払う必要があるため、仮想通貨投資を行なっている方は納税を忘れないようにすることが重要です。

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国税庁の報告書