SHIB提携のZAMAが「HTTPZ」を推進
シバイヌ(Shiba Inu/SHIB)と提携していることでも知られる暗号化企業「ZAMA」が、インターネット上のプライバシー問題を変革する安全性の高い新たな通信プロトコル「httpz」の構築を進めていることが明らかになりました。
SHIB関連の情報を定期的に発信しているウェブマガジン「The Shib Magazine」は、2024年3月28日に公開された最新刊「Edition 18」の中で、ZAMAが推進する「httpz」について詳しく説明しています。
ZAMAと完全準同型暗号(FHE)について
Zama(ザマ)は、ブロックチェーン・AI向けの完全準同型暗号(FHE)ソリューションを開発しているオープンソースの暗号化企業であり、クラウドサービスやブロックチェーンなどにおけるプライバシーとセキュリティの課題を解決するためのソリューションを開発しています。
完全準同型暗号(FHE)は、データを復号化することなく暗号化したまま処理できる暗号化技術の一種であり、暗号化されたデータを元のデータに戻すことなく分析・修正・作業することができるようになっています。
FHEを利用すれば機密情報を完全に隠した状態でデータを処理できるため、プライバシーとセキュリティを大幅に強化できると期待されていますが、ZAMAはこの技術をWeb情報をやりとりするためのプロトコル(通信規約)である「http」に応用しているとのことです。
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「HTTP」と「HTTPS」について
HTTP(Hypertext Transfer Protocol)とは、WebサーバーとWebブラウザ間でデータをやり取りして、ウェブブラウザでホームページの内容を表示させるためプロトコルであり、現在はHTTPのセキュリティを強化した「HTTPS」が主流になっています。
ウェブサイトのURLの頭には「https://bittimes.net」といったように「https」などの文字が記載されていますが、これはそのサイトがデータのやり取りで「http」や「https」を導入していることを示しています。
「http」はウェブサイトから送信されたデータが平文のままのため盗聴や改竄のリスクがありますが、「https」ではウェブサイトから送信されるデータでSSL/TLS暗号化通信がされているため、第三者による情報の盗聴や改ざんのリスクを防止することができます。
ZAMAは100億円の資金調達も実施
ZAMAが推進する新規格「HTTPZ」とは?
インターネット通信にはプライバシー関連の懸念が付き纏っており、個人情報が収集・分析・悪用される可能性がありますが、ZAMAは完全準同型暗号(FHE)を用いた根本的な解決策となる「HTTPZ」を提案しています。
「HTTPZ」は、デフォルトでエンドツーエンド(端から端までの意味)の暗号化を保証する新しいインターネットプロトコルであるとのことで、”データが目的地に到着するまでの安全性が保たれ、オンライン世界との関わり方が根本的に変わる“と説明されています。
完全準同型暗号(FHE)を使用すると、暗号化されたデータを一度元に戻すことなく直接計算できるため、プロセス全体を通じて機密情報の機密性を確保することができます。
HTTPZを採用した通信では、FHEを使用してデフォルトで全てのデータ転送が暗号化されるため、ユーザーはプライバシー設定を積極的に管理する必要がなくなるとのことです。
HTTPZがもたらす影響
ZAMAが提唱する新たな通信プロトコル「httpz」がもたらす影響としては以下のようなものが挙げられています。
- 世界中の人々に自動暗号化機能を提供
HTTPZを使用すると、暗号化はインターネット固有の機能となり、ユーザーがプライバシー設定を手動で構成する必要がなくなる。これにより、技術的な専門知識に関係なく、全ての人に一貫した保護が保証される。 - プライバシー重視のデザイン
HTTPZはプロトコルレベルで暗号化を組み込むことによって、根本からプライバシーを優先する。セキュリティの脆弱性を修正する従来のアプローチから、セキュリティを構築する積極的なアプローチへ移行することによって、オンラインプライバシーを大幅に強化する。 - ユーザー負担の軽減
HTTPZによって、ユーザーはプライバシー設定を常に意識して管理する必要がなくなる。暗号化はバックグラウンドでシームレスに行われるため、ユーザーはオンライン活動に集中できる。
HTTPZの課題と今後の道のり
The Shib Magazineでは「HTTPZの概念は画期的ではあるが、克服すべき課題もある」と説明されています。
完全準同型暗号(FHE)は、複雑な計算処理を数多く必要とする「計算集約型」のテクノロジーであるため、現実世界のアプリケーション向けにそのパフォーマンスを最適化することが重要になるとのことです。
また「広く普及するためには既存のインターネットインフラとユーザーの行動を大幅に変更する必要がある」とも説明されています。
しかし、ZAMAはこれらの課題にも積極的に取り組んでいるとのことで、具体的には以下のような方法で課題に取り組んでいると説明されています。
- より効率的なFHEアルゴリズムの開発
- 業界リーダーと協力して、FHEをウェブサービス&アプリケーションに統合
- プライバシー保護技術の重要性に関する意識を高める活動
SHIBとZAMAの協力について
SHIBとZAMAは画期的なプライバシー標準を確立するために協力を続けているとのことで、SHIB×ZAMAのパートナーシップは「SHIBエコシステム内でデータセキュリティを強化して、ユーザーのプライバシーを保護すること」を目的としていると説明されています。
以前の報告では、ZAMAが提供する暗号化ソリューションは、SHIBエコシステムで今後リリース予定の報酬トークン「$TREAT」で活用されるとも報告されていたため、今後の正式リリースやさらなる技術活用報告にも注目です。
なお、今回公開された「The Shib Magazine:Edition 18」では「話題のミームコイン$DAMN、マニー・パッキャオ財団との取り組み、ロボットNFTコレクションLumiBots、MantraにおけるDAMN採用、Bad Idea AI($BAD)の採用拡大」などといった様々な話題が取り上げられています。
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