Robinhoodが「ウェルズ通知を受け取った」と公表
米国で人気の投資アプリRobinhood(ロビンフッド)は2024年5月6日に、ロビンフッドの暗号資産(仮想通貨)部門である「Robinhood Crypto」が米国証券取引委員会(SEC)からウェルズ通知を受け取ったことを公表した。
ウェルズ通知(Wells Notice)とは、米SECが特定の企業や個人に対して訴訟を起こす可能性があることを通知する書類のことを指す。これは企業や個人がSECの調査や法的措置に備えれるようにするための重要なものでもある。
米SECは「ロビンフッドクリプトは証券法に違反している」と指摘しており、正式に提訴された場合には業務停止命令や罰金の支払いなどが求められることになると伝えられている。
「規制遵守のために取り組んできた」と反論
米SECは「ロビンフッドが証券法に違反した可能性」を指摘しているものの、ロビンフッド側は同社が米国の規制にできる限り準拠するための取り組みを行ってきたことを強調している。
具体的には「SECが過去に有価証券であると主張していた特定のトークンを上場させなかったり、融資やステーキングなどのサービスを提供しないという難しい決断を下した」と説明、さらに「ロビンフッドはSECの呼びかけに耳を傾け、SECに登録しようと試みた」とも説明されている。
2011年から2015年までSEC委員を務めていた経歴も有しているロビンフッド・マーケッツの最高法務責任者兼コンプライアンス責任者ダン・ギャラガー氏は、同社がウェルズ通知を受け取ったことについて次のようにコメントしている。
規制明確化に向けてSECと協力するために長年にわたって誠心誠意取り組んできたにもかかわらず、SECが当社の仮想通貨事業に関するウェルズ通知を発行したことに失望しています。
私たちは「当社のプラットフォームに掲載されている資産は証券ではない」と確信しています。ロビンフッドクリプトに対する裁判が、事実と法律の両方に基づいていかに説得力がないものであるかを明確にするために、SECと関わっていくことを楽しみにしています。
過去には人気銘柄の上場廃止措置も
米SECのウェルズ通知の数は異常?
米国証券取引委員会(SEC)は、仮想通貨規制が明確化されていない状況下で仮想通貨関連企業に対して法的措置を行い続けているため、仮想通貨業界や弁護士などからは批判的な意見が多数出ている。
SECのゲンスラー委員長は2018年に「BTCやETHなどの仮想通貨は有価証券に該当しない」との見解を示していたが、今年3月には「SECはイーサリアムを有価証券に分類するための活動を行なっている」との報道もなされていた。
米国証券取引委員会(SEC)や米国商品先物取引委員会(CFTC)は「どのような仮想通貨が証券・商品に該当するか」に関する明確な指針を示していない。
仮想通貨に精通している弁護士のJake Chervinsky氏によると、米SECが仮想通貨企業に対して発行しているウェルズ通知の数は異常であるとのことで、『米SECがこれだけの強制措置を一度に起こせるとは考えにくい』とも説明されている。
つい先ほど、米SECがロビンフッドにウェルズ通知を送りました。SECがここ数ヶ月間で送付した仮想通貨に関するウェルズ通知の数は驚くべきものです。彼らが一度にこれほど多くの強制措置を講じる(あるいは起こせる)とは想像しにくいです。
SECは現在、ウェルズ通知の送付プロセスを恐怖戦術として悪用しているようです。
SECの実際の目的が「株式市場と債権市場の規制」であることを考えると、現在のSECが著しく不釣り合いな量のリソースを「仮想通貨」に割り当てていることがわかります。
納税者が納めた税金や時間は、議会がSECを設立した本当の目的のためには使用されておらず、仮想通貨に費やされているのです。
もしもSECがウェルズ通知を送信した件数と同じだけの執行措置を講じた場合、それは明らかな法律違反であり、議会から与えられた権限にも反することになります。
そうでなければ、SECは明らかにウェルズ通知の送付プロセスを悪用して無料の証拠開示を得たり、善良な米国企業を脅迫していることになります。
どっちだろう?
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