「目標達成手段としての金融化」が重要
イーサリアム(ETH)の共同創設者であるヴィタリック・ブテリン氏は2024年6月5日に、有名人(セレブ)に関連するミームコインに対して不満を抱いていることを明かし、自身が応援したいと考えるミームコインの特徴について説明しました。
仮想通貨業界ではここ最近のミームコインブームで有名人に関連するセレブミームコインも増えてきていますが、ブテリン氏は「社会に価値をもたらす目的を達成するための手段」として金融化すべきだと述べています。
具体的な例としては「医療・オープンソースソフトウェア・芸術」などに貢献できる仕組みが重要だとされており、アシュトン・カッチャー氏とミラ・クニス氏による「Stoner Cats」は少なくとも実際に資金提供されている番組があったため、他のプロジェクトよりも立派だったと説明されています。
過去には投資アドバイスも
セレブミームコインが目指すべき目標
ヴィタリック・ブテリン氏はミームコインプロジェクトが目指すべき目標として「最終的にトークンの価値がゼロになったとしても、一般参加者が”参加してよかった”と思えるプロジェクトを作ること」が重要だと語っています。
また「公共の利益に役立つこと・取引以外で楽しめる仕組みがあること・10年以上に渡って続くものであること」なども重要だとされており、具体的には以下のような説明がなされています。
私が敬意を表したいと思うセレブの仮想通貨プロジェクトに必要な特徴を簡単にまとめると以下のようになります。
- セレブや早期投資家を豊かにすること以外に、何らかの公共利益を目的としていること。現実的には「アートプロジェクト」か「セレブの好きな慈善団体」もしくはその両方を含むこと。
- トークンの取引以外にも楽しめる仕組みがあること。トークン投票のDAO(分散型自律組織)は嫌いだが、少なくとも人々が何かを行い、組織化するための手段を与えてくれる。DAOが全てを決定するわけではなく、影響力を持つ程度で良い。
- 数ヶ月間話題になって忘れられるようなものではなく、10年以上続くものを作ること。
目標は、最終的に全てのトークンの価値がゼロになったとしても、参加した一般の人々が「参加してよかった」と思えるプロジェクトを作ることです。普通の企業や慈善団体は常にこの目標を達成しています。これは低いハードルですが、私たちが構築するものもこの基準を満たすべきです。
要約すると、基本的には以前私が書いた以下の記事のアドバイスと同じです。
https://vitalik.eth.limo/general/2024/03/29/memecoins.html
以前公開された記事の内容はこちら
既に実践しているミームコインプロジェクトも
ミームコインの世界では本質的な価値がない投機的なコインが数多く発行されていますが、最近では世界中のコミュニティで協力して新しい価値や面白い仕組みを構築しようとするものも増えてきています。
ドージコイン(DOGE)やシバイヌ(SHIB)はそれを代表する2つのコインであり、記事執筆時点におけるCoinMarketCapの仮想通貨時価総額ランキングで、DOGEが8位・SHIBが11位にランクインするほどにまで成長しています。
社会への貢献や楽しめる仕組みという観点で特に高く評価されているのはSHIBで、マニー・パッキャオ財団との提携・CDSAへの参加・プライバシー重視のL3などといった様々な取り組みから「ミームコインの枠を超えた仮想通貨プロジェクト」として世界的に注目されています。
なお、SHIBの成長に対してはヴィタリック・ブテリン氏も今年3月に「SHIBは私の予想を大幅に上回った」とコメントしています。
ミームコインの種類は現在も増え続けていますが、ヴィタリック・ブテリン氏は以前から社会貢献や面白い仕組みの重要性を強調しているため、今後はそのような点を重視した取り組みが増えていく可能性があると予想されます。