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John McAfeeがHitBITに宣戦布告|中央集権型から分散型の時代へ


ブロックチェーン技術による”真の分散型社会”への移行を望むジョン・マカフィー(John McAfee)氏は、今の市場モデルは現在進行中の革命が、”一部に権利が集中した構造”に置き換わるように設計された”中央集権型取引所(CEX)”によって制御されていると批判し、従来の銀行や政府に癒着する仮想通貨取引所に対して宣戦布告しています。

中央集権型取引所に未来はない

マカフィー氏は6月28日、仮想通貨取引所HitBTCの最小買い入れ額について厳しく指摘した後に、それらの取引所をボイコット(*1)すると述べています。

(*1)ボイコット:組織的または集団で特定の商品を購入せずに取引を拒絶すること。不買同盟。

我々は仮想通貨取引所が持つ巨大な影響力と当初から戦っています。

例えば、Hitbtc の最小の買い入れは月の収入より高く、何百万という余裕のない貧しい人々の苦しみは増すばかりです。

私たちはそれらを断固拒否します。

このマカフィー氏のHitBTCに対する激しい攻撃は、マカフィー氏のチームメンバーが最初に投稿したツイートから生じたものであり、彼はその投稿を引用して次のようなコメントを投稿しています。

@John McAfee
仮想通貨の世界を良くするために一緒に立ち上がりましょう!

@J.W.
HitBTCの詐欺に苦しんでいる皆さん!
彼らは私に恐れて問題を解決しました。
あなたはどうですか?
私は私の名前に誓います。この取引所に未来がない事を。
あなたの問題がまだ解決できていない場合は、名前とチケットをofficialmrmcafee@gmail.comに送信してください。

「戦闘準備は完了しています」

この争いの主な原因となった問題は、HitBTCのレバレッジが関係していると考えられています。ブロックチェーンサイバーセキュリティプラットフォームである「Hacken」は最近、流動性、法令遵守と信頼性、世論などに基づいた仮想通貨取引所のランク付けを発表しています。このランキングにおけるHitBTCの評価はすべての取引所の中で7番目に最悪のプラットフォームとして位置づけられています。

HitBTCに対するコミュニティからの否定的な回答が多いのは、仮想通貨コミュニティ全体から長い間報告されている出金と入金の問題によるものだと考えられています。特定のブロックチェーンプラットフォームに対するコミュニティからの評価の指標である「HitBTCサブディレクトリ」は、説明できないほどのロックされたアカウントや、出金失敗の報告、および継続中のサポートの問題で構成されています。

McAfee氏は”胡散臭い”仮想通貨取引所と戦う準備はできており、整ったプラットフォームが提供されるようになるまで仮想通貨コミュニティ全体でHitBTCに宣戦布告を宣言しています。

@hitbtc あなたが私たちのコミュニティと協力し、貧しい人々を助ける意思が本当にあることを証明するまで、私はあなたの最悪の敵になります。

分散化の波はもうそこまで

HitBTCに対するマカフィー氏の抗議活動は、今のところはソーシャルメディアだけで行われていますが、彼は現在の仮想通貨市場で問題視されている、中央集権化された管理体制を指摘すると共に、『分散型取引所(DEX)』の到来を提示しています。

私は戦わなければならないので、先に攻撃しました。

私たちの取引所は、銀行や政府につながっています。
システム全体を停止させるには、最初に取引所をダウンさせる必要があります。
分散型取引所はそこまで来ています。
私がHitBTCを選んだのは、彼らが”最も”最悪だからです。

マカフィー氏は、中央集権型取引所との戦争はまだ始まりに過ぎないとしています。

現在広く普及している仮想通貨の本格的な導入が始まり、仮想通貨で直接商品やサービスの支払いが可能になるまでは、それらの取引所はボトルネック(*2)として機能し、これを介して実体のないの仮想通貨が実際の現実的な価値に変換されることになります。

(*2)ボトルネック:全体の結果や性能を阻害する要因や原因箇所を指す言葉

仮想通貨は無限の価値を持つことができますが、デジタル領域と物理領域の間で価値の転送を仲介する組織が『中央集権型のプラットフォーム』によって制限されている限り、ブロックチェーンの革命は実現する前に失敗します。

すべての中央集権型取引所は、仮想通貨によってその立場を脅かされることになる”従来の権力構造”の影響を受け易いため、ブロックチェーン技術自体にそもそも矛盾します。

地方分権化されている『分散型取引所(DEX)』は、市場参加者が真に分散化されたピア・ツー・ピア(P2P)の方法で取引できるようにすることによって、”信頼できた”第三者の影響から仮想通貨市場を解放することを約束します。 DEXは現在、『仮想通貨と法定通貨間での取引ができない』という独自の問題を抱えていますが、現在の市場に存在する多くの問題を解決することができるため、ブロックチェーン革新の未来には不可欠です。

DEXは、現在の仮想通貨市場に存在する一部の組織によるコントロールを完全に排除し、流動性問題の解決策を提供する可能性を秘めていますが、分散型取引所が提供する最も重要な利点は、それらが中央集権化した支配構造からの影響を完全に排除していることです。

マカフィー氏は「分散型取引所についてどのように考えているか?」という問いに対して次のように回答しています。

@TheCoinDad
ジョンは分散型取引所についてどう考えていますか?

@John McAfee
分散型取引所の波はそこまで来ています。
政府や規制当局でも決して止めることはできません。

大手仮想通貨取引所もDEXへ

ここ最近では、複数の仮想通貨取引所が分散型取引所に移行する計画を発表しています。

日本市場への進出も明らかになった、アメリカの大手仮想通貨取引所coinbase(コインベース)は、分散型取引所Paradex(パラデックス)を買収し、自社で運営する取引プラットフォームであるGDAX(ジーダックス)と統合したことを発表しています。

coinbaseの新サービスについてはこちら

また、近年急速に成長している仮想通貨取引所Huobi(フォビ)は、徐々に事業を分散型プラットフォームに移行させ、スマートコントラクトを使用して自動化することで、ブロックチェーンベースの自律分散型組織(DAO)の夢を実現することを目指す『Huobi Chain Project(HCP)』を発表しています。

Huobi Chainのプロダクトディレクターを務めるChen Gordon(チェン・ゴードン)氏は「この取り組みはHuobiコミュニティの意思決定における実験の延長である」と述べており、「未来には新しいタイプの金融システムが必要だ」とも語っています。

将来的には分散型取引所の構築を目指すとしている彼らは「Huobiはブロックチェーン自体の開発に関する決定を含めて『コミュニティ主導の統治』を追求することを望んでいる」と述べています。

Huobiの新プロジェクトについてはこちら

マカフィー氏の言うように仮想通貨取引所で起きている戦争はまだ始まったばかりであり、これからの仮想通貨実用化の動きと共に、これらの戦いはより激しさを増して行くのかもしれません。つい先日までは死亡寸前とまで言われていたマカフィー氏は、復帰直後から壮絶な人生へと返り咲いています。今後も仮想通貨市場を賑わせるマカフィー氏に注目が集まります。