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「ジェネシスキーは死んだ」カルダノ(ADA)ヴォルテール時代の到来迫る

分散化に向けてジェネシスキーを処分

カルダノ(Cardano/ADA)の創設者であるチャールズ・ホスキンソン氏は2024年8月30日に「ジェネシスキーは死んだ」とコメントして、カルダノのヴォルテール時代が間近に迫っていることを報告しました。

Genesis Keys(ジェネシスキー)とは、ブロックチェーンの開発・運用の初期段階で重要な役割を果たす暗号鍵のセットのことであり、ブロックチェーンプロトコルの変更やアップグレードを確定させるために使用される重要な鍵のことを指します。

カルダノでは、Cardanoプロジェクトを支える3つの主要組織である「Input Outputエマーゴ、カルダノ財団」が「3:2:2」の割合で合計7つの鍵を保有しており、システムアップグレードでは7つ中5つの鍵が必要となる仕組みが採用されていました。

Cardanoは現在、カルダノブロックチェーンを真の分散型ブロックチェーンにするための最終フェーズとなる「ヴォルテール時代」に向けた準備を進めていますが、今回はこのヴォルテール時代に向けてジェネシスキーを処分したということが報告されています。

ジェネシスキーは死んだ。
ヴォルテールの時代がもうすぐやってくる

ジェネシスキーの処分は何を意味するのか?

ジェネシスキーは、ブロックチェーン開発の初期段階をスムーズかつ安全に進めるための重要な鍵となっていますが、これらの鍵を特定の組織が保有している場合は「中央集権的な要素の1つ」にもなり得ます。

カルダノは、カルダノネットワークを段階的に分散化することを計画しているため、ジェネシスキーを処分する行為は中央集権的な仕組みの1つを排除して、真の分散化に踏み出す重要な一歩となっています。

ジェネシスキーが無効化されることによって、カルダノネットワークに関する全ての重要な決定がコミュニティ参加者・ステークプール運営者・ADA保有者などによる分散型ガバナンスプロセスを通じて行われるようになるため、カルダノは真の分散化に向けて大きく前進することになります。

また、スマートコントラクトの実行やプロトコルのアップデートなどが中央集権的な鍵で制御されることがなくなるため、ネットワークの自律性と耐検閲性が向上するとも期待されます。

ジェネシスキーはブロックチェーンの開発・運営を支える非常に重要な存在の1つであるため、ジェネシスキーの処分は重大なリスクを伴いますが、今回の処分は長年をかけて「真の分散型ブロックチェーン」に向けた準備を進めてきた、カルダノプロジェクトにおける重要な節目として注目されています。

なお、今回の投稿のコメント欄では「ハードフォーク後に無効化された秘密鍵を公開して、その鍵が役にたたなくなったことを世界に示してみてはどうか?」という提案もなされていて、ホスキンソン氏も「それはかなりクールだ」と回答しているため、今後はそのような取り組みなどにも注目です。

Changハードフォークは2024年9月2日に予定

カルダノでは、ヴォルテール時代への突入を意味する重要アップグレードとなる「Changハードフォーク」が日本時間2024年9月2日6:44頃(UTC:2024年9月1日21:44)に予定されています。

このアップグレードに向けた準備は順調に進んでいて、現在はBINANCE(バイナンス)などの大手暗号資産取引所からもアップグレードに対応する方針が発表されています。

今年4月にはカルダノコミュニティが主導する会員制組織Intersect(インターセクト)の日本支部となる「Intersect Japan Hub」なども設立されているため、分散型ガバナンスを本格導入するカルダノの今後の展開には注目が集まります。

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執筆・翻訳:BITTIMES 編集部
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