Ethenaが「UStb」発表
Ethenaが2024年9月26日にX(Twitter)アカウントで、大手資産運用会社ブラックロックの「BUIDL」に裏付けられたステーブルコイン「UStb」を発表しました。
Ethenaは分散型ステーブルコインのプロトコルです。すでにステーブルコイン「USDe」を提供しており、仮想通貨と先物ポジションに裏付けされています。
発表されたUStbはBUIDLを裏付け資産として使用するステーブルコインであり、従来から提供されているUSDeとは異なる独立した製品です。
Ethenaの新製品「UStb」を発表できることを嬉しく思います。UStbはブラックロックのBUIDLを裏付け資産として組み込んでいるステーブルコインです。USDeとは別の製品で、独立しています。
BUIDLは、ブラックロックが提供している米国債や現金のトークン化ファンドです。すでにBUIDLを活用する事例が見られ、Ondo Financeが担保として使用し、2024年4月にはBUIDLに対して1週間で約5,000万ドル(約70億円)が流入したことが発表されています。
今後、CEXとのパートナーシップを強化していく方針も発表されました。すでに、Bybit・Bitgetに担保を提供しており、今後こういった枠組みを拡大していきたいと表明しています。
また、近日中にUStbに関する情報を更に公表するとも発表しています。
USDeのリスク軽減に繋がるか
今回の発表では、UStbの発表と併せてUSDeの懸念に対してもコメントされています。USDeは、コミュニティから資金調達率がマイナスになった場合のリスクについて従来から指摘されていました。
Ethenaはこの点について、過去6ヶ月間で1週間以上マイナスの資金調達率になったことはないと前置きした上で、ガバナンスが必要に応じて「資産の一部にUStbを組み込むことで、資金調達関連のリスクを軽減できるようになる」という見解を述べています。
状況や必要に応じて、USDeの裏付け資産は動的に調整が可能です。USDeの資金調達条件が悪い場合、UStbを組み込めます。
上記のような背景から従来から提供しているUSDeについても、UStbの提供によって恩恵を得られるとも述べました。
分散型のステーブルコインプロトコルについては、ステーブルコインの価値が大幅に下落したテラ(Terra/LUNA)の事例などが見られるため、コミュニティからはEthenaのリスクに注目が集まっています。
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執筆・翻訳:BITTIMES 編集部
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