ステーブルコイン「USDC」ブラジル・メキシコでの採用拡大に向けた重要な一歩
USDCをブラジル・メキシコの即時決済システムに接続
米ドル連動型ステーブルコインであるUSDコイン(USDC)を発行する米サークル(Circle)社は2024年9月17日、USDCをブラジルとメキシコの即時決済システムに接続したと発表しました。
USDCは、米ドルの価格と連動するように設計されたステーブルコインです。2024年9月時点での時価総額はおよそ350億ドル(約5兆153億円)で、ステーブルコインとしてはテザー社のテザー(USDT)に次ぐ世界第2位の規模となっています。
サークル社の発表によると、今回のシステム接続により、USDCはブラジルの決済システム「PIX」とメキシコの決済システム「SPEI」でアクセス可能になります。両国の法人は、現地金融機関を通じて、現地法定通貨を米ドルに両替することなく直接USDCに交換することができるようになります。
現地企業は、保有するUSDCを事業目的で利用できるほか、個人顧客にも提供できるようになるとのことです。
サークル社は発表で「これまで必要だった国際電信送金のプロセスをなくすことで、USDCへのアクセスにかかる時間が数日からたった数分へと劇的に短縮されることになり、資本の流動性が高まります」としています。
中南米でのプレゼンス拡大へ
今回の決済システム接続は、米国と経済的結びつきの深い中南米諸国でUSDCのプレゼンスを拡大するための取り組みの一環だと見られています。
USDCとの接続が実現したブラジルの「PIX」は、ブラジル中央銀行が運営するリアルタイム決済システムで、同国内に1億6,800万人以上のユーザー基盤を持ちます。
またメキシコの「SPEI」は、同じく中央銀行によって運用されているリアルタイム決済システムで、およそ20年にわたる歴史を持ち、2023年には約330万件の取引がSPEIのシステム上で実行されました。
メキシコは米国にとって最大の貿易相手国のひとつであり、両国間の商品・サービスの取引額は年間8,000億ドル(約114兆7,800億円)以上に上ります。またブラジルの年間貿易額6,400億ドル(約91兆8,000億円)のうち、米ドルによる取引は95%を占めます。
国境を越えた商取引において広く米ドルが利用されているブラジル・メキシコ両国でUSDCがより安価に利用できるようになることで、両国の企業はコスト削減を見込めるとのことです。
※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=143.79円)
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Souce:Circle公式発表
執筆・翻訳:BITTIMES 編集部
サムネイル画像:Freepikのライセンス許諾画像を用いて作成
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