RLUSDの登場でXRPバーンが加速する?
Ripple(リップル)が発行を予定している米ドル連動ステーブルコインRipple USD(RLUSD)の登場によって仮想通貨XRPのバーン(焼却処分)が加速する可能性が注目を集めています。
バーン(焼却処分)とは、特定の仮想通貨をアクセスできないウォレットアドレスに送金して二度と利用できないようにする行為のことを指します。バーンを実施すると供給量が削減され、希少価値が高まるため、対象銘柄の価格上昇にもつながる可能性があります。
Ripple USD(RLUSD)は、XRP Ledger(XRPL)とEthereumのブロックチェーン上で発行されますが、XRPLには「取引を行うユーザーから少額のトランザクション手数料をXRPで徴収してそのXRPをバーンする」という仕組みが組み込まれているため、XRPL上でRLUSDの取引が増加すればXRPのバーンも加速する可能性があると期待されています。
なお、XRPLに組み込まれているXRPバーンの仕組みは「XRP Ledgerの公式ドキュメント」で詳しく説明されています。
【XRPL公式ドキュメントから該当部分を一部抜粋】
XRP LedgerをスパムやDoS攻撃から守るため、各トランザクションでは少額のXRPが消却されます。このトランザクションコスト はネットワークの負荷とともに増加するように設計されており、故意または不注意にネットワークに過剰な負荷をかけると非常に高くつきます。
各トランザクションのトランザクションコストを支払う際には、消却するXRPの額を指定する必要があります。
ネットワークが標準のトランザクションに必要とする現在の最低トランザクションコストは0.00001 XRP(10 drop)です。これは負荷が通常より高くなると増加することがあります。
トランザクションコストは誰かに支払われるものではありません。XRPは取り消し不能で消却されます。XRPを新たに作ることはできないため、XRPの希少性が高まり、XRPの価値を高めることによって、すべてのXRP保有者に利益がもたらされます。
XRPL上の取引増加でXRPバーンが進む可能性
XRPL公式ドキュメントにも記載されているように、XRPLの各取引でバーンされるXRPは「最小0.00001 XRP」と非常に少ないため、RLUSDの取引が実際に開始されたからといって大量のXRPが即座にバーンされる可能性は低いと考えられます。
しかし、RLUSDは送金・決済・取引所での基軸通貨などといった様々な活用可能性を備えたステーブルコインであるため、RLUSDの取引が大幅に増加すれば、XRPのバーン数量も増加することになると期待されます。
また、XRPLのネットワークが混雑すると取引の優先処理を求めて手数料が上昇する可能性があるため、そのようなトランザクション手数料の高騰でもXRPバーンが加速する可能性があります(※トランザクション手数料の高騰は送金者にとっては嬉しいものではありませんが)。
なお、XRPLで設定されているトランザクション手数料の仕組みについては、リップル社のCTOであるデイビッド・シュワルツ氏からも「トランザクションが急増した場合は手数料に基づいて優先順位がつけられる」との説明がなされています。
最小手数料はコンセンサスによって設定されています。しかし、ネットワークが処理可能な負荷を超えるトランザクションの急増が発生した場合、トランザクションは手数料に基づいて優先順位が付けられます。
どれくらいのXRPがバーンされるのか?
現在主流の国際的な決済ネットワークである「Visa」や「Mastarcard」では、1日に10億件以上の取引が行われているとも報告されているため、仮にVisaやMastarcardと同レベルの取引がRLUSDで行われた場合には「1日に10,000 XRP」のペースでXRPがバーンされることになります。
XRPの総供給量が1,000億XRPであることを考えると、この数量は非常に少ないようにも感じられますが、「少額のXRPバーンが今後長期的に続くこと」や「取引急増による手数料高騰の可能性があること」などは注目すべきポイントの1つです。
RLUSDがXRP供給量に与える影響は控えめであるものの、RLUSDは今後幅広く利用される可能性が高く、XRPL上で特に活発に取引されるトークンになると予想されるため、RLUSDの登場はXRP供給量削減において重要な役割を果たすことになると考えられます。
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執筆・翻訳:BITTIMES 編集部
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