ビットコイン準備金の大統領令草案が完成
Satoshi Action Fundの共同創設者兼CEOであるデニス・ポーター氏は2024年12月18日に、米国の戦略的ビットコイン準備金導入に関する大統領令の草案が完成したことを報告しました。
Satoshi Action Fund(サトシ・アクション・ファンド)は、政策立案者や規制当局にビットコイン(BTC)の利点を伝えることを目的とした無党派・非営利の教育組織であり、先月は「ビットコイン準備金の導入支援に関する募集をかけた後、15時間以内に5カ国から連絡を受けたこと」も報告されています。
今回の発表では、Satoshi Action Fundのチームが米国のビットコイン準備金導入に関する大統領令の草案が最終決定したことが報告されていて、その草案の概要についても説明が行われています。
速報:私のチームが、アメリカ合衆国大統領による「戦略的ビットコイン準備金」を設立するための模範的な大統領令を最終的に完成させたことを確認しました!
デニス・ポーター氏が報告したビットコイン準備金に関する大統領令草案の概要は以下のとおりです。
ビットコイン準備金に関する大統領令草案の概要
今回の大統領令は、為替安定化基金(ESF)の一部として戦略的ビットコイン準備金を創設するための枠組みを定めるためのもの。米連邦保安局(USMS)が保有する20万BTCのオークションを終了し、戦略的ビットコイン準備金を法律に組み込むための長期的かつ必要不可欠な立法の基礎を築く。
- 戦略的ビットコイン準備金の設立
米国財務省は、為替安定化基金を活用してビットコインを取得・保有・管理する権限を与えられる。ビットコインを外国通貨に類似した準備資産として扱う。18ヶ月間のパイロット期間中は、ESFのポートフォリオ総額の最大2%の割り当てることが許可される。 - セキュリティと保管ソリューション
財務省主導の作業グループが、米国の主権的権限を維持しつつビットコインを保有するための保管ソリューションを開発する。このグループは、財務省による直接アクセスや、現在USMSが使用している保管システムの活用を検討する。 - 押収されたビットコインの移管
米連邦保安局(USMS)は、没収されたビットコインのオークションを中止する。USMSが保有している約20万BTC(1BTC=103,000ドルの評価額で約206億ドル相当)は、戦略的準備金の初期基盤としてESFに移管される。 - 透明性と監視
財務省は、ビットコインの保有状況・取引・リスク管理について、半年ごとに議会および大統領へ報告を行う。財務省監察総監室(OIG)と会計検査院(GAO)が定期的に監査を実施し、年次の概要を公表する。 - 長期的な立法枠組み
為替安定化基金が恒久的な解決策とならない可能性を考慮して、財務省は議会と連携して戦略的ビットコイン準備金を連邦法に組み込む法律を策定する。 - 財務省の報告書提出
財務省は24カ月以内に議会に対して「ESFが管理者として持つ制約と利点、ビットコイン準備金管理の代替枠組み、ビットコインを準備資産の一部として確保するための立法提案」を報告する。 - 金融政策の独立性の維持
大統領令は、連邦準備制度理事会(FRB)の金融政策に関する独立した権限には干渉しないことを保証する。
トランプ氏もビットコインに意欲
大統領令の全文は引き続き公開予定
米国のビットコイン準備金導入は以前から注目を集めていましたが、今回の草案には具体的な取り組みの内容が記載されているため、その内容には注目が集まっています。
草案の中では「米連邦保安局が保有する20万BTCを準備金の初期基盤とすること」や「為替安定化基金のポートフォリオの最大2%をビットコインに割り当てること」などが説明されているため、これが実現すれば米国政府が巨額のビットコインを準備金として保有することになります。
さらに、ビットコイン準備金の採用にあたって関連する法律を策定することなども説明されているため、これに伴い仮想通貨関連の法律もより明確化されていく可能性もあると期待されます。
デニス・ポーター氏は今回の報告の中で「今回公開内容は大統領令の最初のページであり、新年を迎えるにあたって大統領令のテキストを引き続き公開していく」とも説明しているため、今後の詳細発表にも注目が集まっています。
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執筆・翻訳:BITTIMES 編集部
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