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ベネズエラ:仮想通貨の需要高まる|インフレ率100万%に


仮想通貨の需要が高まり続けているベネズエラでは、年内にもインフレ率が100万%に達しようとしていることが明らかになりました。同国では2018年に入ってからビットコイン(BTC)を購入する人々が増え続けています。

こちらから読む:ビットコインとは何か?「初心者にもわかりやすく簡単に説明」

国際通貨基金(IMF)は7月23日、ベネズエラのインフレ率が年内に100万%を超えるという予想を発表しました。米国からの経済制裁によってベネズエラでは深刻な物資不足が続いており、物価も急激に高騰しています。
2018年7月24日現在、1ボリバル*の価格は日本円で約0.00093円となっています。
*ボリバル・フエルテ(VEF):ベネズエラの法定通貨

日経新聞の報道によると、ハイパーインフレの影響でベネズエラでの液晶テレビの価格は”7億6,000万ボリバル”という高値で販売されているとのことで、地下鉄においては切符を発行することすらもできず、無料にすることを余儀なくされていると報じられています。

その一方で富裕層向けの店舗は大盛況であるとも報じられており、飲食店で販売されている一皿あたりの金額は最低賃金の4倍もの値がつけられているとされています。

このようなことなどもあり、同国のNicolás Maduro(ニコラス・マドゥロ)大統領には批判の声が相次いでおり、反政府デモも続いています。

ベネズエラでは、2017年の初めにも仮想通貨ブームが巻き起こっており、一週間あたりのビットコイン(BTC)の取引量は、805BTCを記録しています。しかしその後は、ビットコインへの関心も一旦落ち着いており、2018年の1月には一週間あたりの取引量も157BTCまで減少しています。

ベネズエラのビットコイン取引量(引用:coin.dance)

しかしその後は再び取引量が増加しており、2018年4月の時点では一週間で600BTCの取引量を記録しています。

またベネズエラ政府が発行する石油に裏付けされた仮想通貨Petro(ペトロ)に関しても、国外からの厳しい対応が目立っており、今年の3月に米国でのペトロ購入が禁止された他、ペトロを使用することによって”原油の購入に30%の割引が適用される”という提案を受けたインド政府も最終的にその申し出を拒否しています。

ベネズエラではこのような様々な側面が影響して仮想通貨の需要が高まっている一方で、経済格差も拡大しているようです。『2025年から来た』と自称するタイムトラベラーは、「ビットコイン(BTC)が今後大きな格差社会をもたらし世界経済の停滞をもたらす」と語っています。現在のベネズエラは、この未来人が語る将来の世界経済を示唆しているのかもしれません。