カルダノ財団の資金を私的に利用していることや取締役会としての責務を果たしていないことなどの問題点に対して以前から指摘を受けていた「Cardano Foundation」の会長Michael Parsons(マイケル・パーソンズ)氏が辞任したことが明らかになりました。これに伴い新たに再編される予定となっている理事会メンバーには注目が集まっています。
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カルダノ財団「マイケル・パーソンズ氏」とは?
CARDANOテクノロジーの規格化、発展、保護に取り組んでいる「カルダノ財団(Cardano Foundation)」で会長を務めていたMichael Parsons(マイケル・パーソンズ)氏は、以前から「財団の資金を自分自身のために使用している疑い」や「仕事の一部を果たしていない」と行った複数の指摘を受けており、カルダノプロジェクトに取り組んでいる「IOHK」と「EMURGO」は同氏が辞任することを求めていました。
IOHKの公式サイトに掲載された書面には「カルダノ財団のパフォーマンスの欠如」と題して、
・財政的透明性の欠如
・完全で多様な財団評議会の欠如
・財団の運営における透明性の欠如
などといった「カルダノ財団」に関する数多くの問題点が綴られており、カルダノプロジェクトを支える重要な組織の一つである「カルダノ財団」の会長が適切な仕事を行なっていないという報道は、カルダノコミュニティにも不安を与え、今後の具体的な動きには注目が集まっていました。
IOHKとEMURGOが発表した内容の詳細はこちら
新会長には「パスカル・シュミット氏」が暫定的に就任
2018年11月13日にカルダノ財団は、マイケル・パーソンズ氏が辞任したことを発表しました。また今回の発表では、パーソンズ氏の辞任に伴い暫定的に理事会メンバーであるPascal Schmidt(パスカル・シュミット)氏が会長に就任したことも発表されています。
スイス出身であるパスカル・シュミット氏は、ビジネス、経済学においてヨーロッパでもトップレベルの大学と言われる「ザンクトガレン大学(University of St.Gallen)」を卒業しており、財務や経理の専門家として長い経験を積んできたと伝えられています。
またカルダノ財団は、今回の公式発表の中で迅速に財団理事会に適切な人材を補充できるよう務めていると報告しています。
CARDANO「捕虜時代」の終焉
カルダノエイダコイン(CARDANO/ADA)の生みの親として知られるCharles Hoskinson(チャールズ・ホスキンソン)氏は、今回の発表を自身のTwitter上で次のように報告しています。
CARDANOがバビロニア(*1)の捕虜である時代は終わりました。
(*1)バビロニア:現在のイラク周辺で古代に栄えた広い地域または帝国。奴隷制度なども有名であることから現代でも度々比喩として使われる。
ホスキンソン氏をはじめとするCARDANOプロジェクトのメンバーは、真の分散型社会を実現するための取り組みを続けてきており、最近では第三者の開発者を拡大するためのオープンソースプロジェクトである「Cardano Rust Project」も開始されています。
中央集権的であったとされる「カルダノ財団」が解放されたことによって、これまで不当に利用されていた可能性のある財団の資金も適切に活用していくことが可能になり、CARDANOプロジェクトもより効率的にプロジェクトを拡大していけるようになると期待されます。暫定的ではあるものの新たに任命されたパスカル氏やこれから正式に決定されるカルダノ財団理事会メンバーにも注目が集まります。
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カルダノエイダコイン(CARDANO/ADA)の価格|2018年11月14日
カルダノエイダコイン(CARDANO/ADA)の価格は今月7日に10円近くまで上昇したものの、その後はやや下落しており、2018年11月14日の時点では「1ADA=約8.33円」となっています。