CARDANO:プロジェクト内部で分裂危機 ー 今後の進展に「カルダノ財団」は必要ない?

by BITTIMES   

カルダノプロジェクトが分裂するという報道が大きな話題となっています。カルダノエイダコイン(ADA)の開発者として知られるCharles Hoskinson(チャールズ・ホスキンソン)氏は、2018年10月12日に公開された動画の中で「Cardano Foundation(カルダノ財団)」の問題点について指摘し、IOHKの公式ホームページではEMURGO(エマーゴ)との共同声明が発表されています。

こちらから読む:3つの組織で構成される「CARDANO」プロジェクト

カルダノ財団で起きる「権力の集中化」

CARDANOプロジェクトで、主に技術開発を担当している「IOHK」でCEOを務めているCharles Hoskinson(チャールズ・ホスキンソン)氏は、カルダノプロジェクトの中で主に運営関係の役割を担っている「Cardano Foundation(カルダノ財団)」の問題点を指摘しています。

「権力の集中化」という問題は、現代社会の多くの場面で問題点として取り上げられており、多くの企業や団体にとって有害な存在であると言われていますが、ホスキンソン氏はこの「権力の集中化」がカルダノ財団で起きていると説明しています。

ホスキンソン氏は、YouTube上で12日に公開した動画の中で、『現在のカルダノ財団が徐々に集中化しつつある』ということを語っており、財団で会長を務めているMichael Parsons(マイケル・パーソンズ)氏が、カルダノプロジェクトの中核人物としての責任を果たしていないと指摘しています。

CARDANOプロジェクトの全体構造

cardano

カルダノエイダコイン(CARDANO/ADA)やそれを取り巻く様々な環境を構築している「CRADANOプロジェクト」には中核となる3つの組織が含まれており、それぞれの組織には以下のような責任が割り当てられています。

カルダノ財団(Cardano Foundation)

カルダノ財団(Cardano Foundation)は、スイスを拠点に「カルダノテクノロジー」の規格化、保護、発展に取り組んでいます。

先述したマイケル・パーソンズ氏が理事長を務めており、商標、規制関連の取り組み、ロビー活動、コミュニティ発展のための取り組みといった、行政的な内容を含む幅広い役割を担っています。

IOHK(Input Output HongKong)

IOHK(Input Output HongKong)は、イギリス・ロンドンを拠点にカルダノエイダコイン(ADA)のウォレットやブロックチェーンのアップデートといった技術開発を担っている組織です。

チャールズ・ホスキンソン氏がCEOを務めている「IOHK」は、カルダノエイダコイン(ADA)に関連する技術開発の中核となっている組織であり、3年前にCARDANOプロジェクトの開発チームとして特定のタスクを処理する契約を"期限付き"で結んでいます。

Emurgo(エマーゴ)

Emurgo(エマーゴ)は、日本を拠点にカルダノのエコシステムの発展に取り組んでいる組織です。

主に広報活動をメインに活動しているという印象が強いものの、実際には投資、ICOコンサルティング、開発者の育成などにも取り組んでおり、最近ではカルダノのライトウォレット「YOROI(ヨロイ)」をリリースしたことでも注目を集めています。代表取締役社長は日本人である児玉健氏が務めています。

カルダノ財団のパフォーマンスの欠如

riot

ホスキンソン氏は、EmurgoとIOHKは取り組むべき業務を果たしているものの、カルダノ財団は仕事の一部を行なっていないと指摘しており、『取締役会は中心としての責任と債務を果たしていない』と述べています。

同氏は、カルダノ財団が"徐々に集中化している"と指摘しており、数年前からそのような問題解決に取り組んできた結果、現在はパーソンズ氏を含む2人の理事会を縮小し、財団の業務を自分たちでこなせるように取り組んでいると説明しています。

IOHKが公開した公式の書面では『カルダノ財団は独立委員会が運営する独立法人であるため、議長を辞任させることはできない』と述べられており、『EmurgoとIOHKは、パーソンズ氏が自発的に辞任することを願っている』と説明されています。

公式書面には「カルダノ財団のパフォーマンスの欠如」と題して、
財団の運営における透明性の欠如
財政的透明性の欠如
完全で多様な財団評議会の欠如
といった「カルダノ財団」に関する数多くの問題点が綴られています。

これらの発表は「CARDANO財団とIOHK分裂」として海外でも大きな話題として取り上げられており、カルダノエイダコイン(ADA)の価格への影響なども不安視されています。今後もカルダノプロジェクトでの開発は継続されると説明されてはいるものの、プロジェクト全体としての不安定な状態に不安を抱く声も出ています。

プロジェクト成功に「CARDANO財団」は必要ない?

cardano

公式発表では『CardanoプロジェクトのためのIOHKとEmurgoの資金は完全に独立して確保されているため、カルダノ財団には関連づけられていない』と記されており、『カルダノの生態系内で権力を分断しようとする本来の目的は、一つの問題がプロジェクト全体を破壊しないようにすること』だと説明されています。

この文章の最後では、『カルダノプロジェクトの本当の強さは、卓越したコミュニティーから生まれている』と説明されており、CARDANOがプロジェクトとして成功するために「Cardano Foundation」は必要ないとされています。

また、カルダノプロジェクトを代表するスタッフは過去3年間で50カ国以上で活動を行なってきたとのことで、そのような国々の人々に「新しい金融オペレーティングシステム」を提供するために、今後もこの活動を続けていくと説明されています。

カルダノエイダコイン(CARDANO/ADA)の価格|2018年10月14日

Cardano (ADA)
91.53 JPY (13.58%)
0.00000755 BTC
RANK

10
MARKET CAP

¥3.23 T JPY
VOLUME

¥238.15 B JPY

カルダノエイダコイン(CARDANO/ADA)の価格への影響が懸念されてはいたものの、今のところは大きな影響は見られておらず、2018年10月14日の時点では「1ADA=約8.1円」となっています。

仮想通貨ニュース|新着

マスターカード、1.5億以上の加盟店で「ビットコイン決済」が可能に|クラーケンと提携NEW

マスターカード、1.5億以上の加盟店で「ビットコイン決済」が可能に|クラーケンと提携

プライバシー重視のカルダノサイドチェーン「Midnight」8つのウォレットパートナー発表NEW

プライバシー重視のカルダノサイドチェーン「Midnight」8つのウォレットパートナー発表

トランプ氏関与プロジェクトWLFI、ステーブルコイン「USD1」エアドロップを提案

トランプ氏関与プロジェクトWLFI、ステーブルコイン「USD1」エアドロップを提案

韓国、年金基金の取引管理にブロックチェーン導入を検討=報道

韓国、年金基金の取引管理にブロックチェーン導入を検討=報道

ビットコイン、関税の嵐を乗り切る「安全資産」としての可能性|バイナンスレポートまとめ

ビットコイン、関税の嵐を乗り切る「安全資産」としての可能性|バイナンスレポートまとめ

BINANCE、決済大手「Worldpay」と提携|Apple Pay・Google Payで仮想通貨購入可能に

BINANCE、決済大手「Worldpay」と提携|Apple Pay・Google Payで仮想通貨購入可能に

仮想通貨入門 - 基礎知識

仮想通貨がもらえるエアドロップとは?参加方法・注意点・税金などについて解説

仮想通貨がもらえるエアドロップとは?参加方法・注意点・税金などについて解説

仮想通貨HYPE(Hyperliquid)とは?基本情報・特徴・購入方法などを解説

仮想通貨HYPE(Hyperliquid)とは?基本情報・特徴・購入方法などを解説

仮想通貨DEX「Hyperliquid(ハイパーリキッド)」の特徴や使い方を徹底解説

仮想通貨DEX「Hyperliquid(ハイパーリキッド)」の特徴や使い方を徹底解説

ソラナ基盤の代表的なDeFiプロジェクトを紹介|特徴・運用方法・注意点も

ソラナ基盤の代表的なDeFiプロジェクトを紹介|特徴・運用方法・注意点も

ソラナ(SOL)基盤の代表的なDAppsを紹介|使い方や注意点も

ソラナ(SOL)基盤の代表的なDAppsを紹介|使い方や注意点も

ソラナ(Solana/SOL)系ミームコインとは?代表銘柄トップ5もあわせて紹介

ソラナ(Solana/SOL)系ミームコインとは?代表銘柄トップ5もあわせて紹介

市場分析・価格予想

仮想通貨市場も急落「米国関税の90日間停止」を要求|パースカント社CEOビル・アックマン氏

仮想通貨市場も急落「米国関税の90日間停止」を要求|パースカント社CEOビル・アックマン氏

「金とビットコインが新たな準備資産に」米国債と株式の時代は終焉へ|アーサー・ヘイズ氏

「金とビットコインが新たな準備資産に」米国債と株式の時代は終焉へ|アーサー・ヘイズ氏

ビットコイン価格8万ドル割れ、ブラックマンデー再来で上昇予測も

ビットコイン価格8万ドル割れ、ブラックマンデー再来で上昇予測も

「ビットコインはヘッジとして機能」ウォール街が暴落する中でBTCが支持を得る

「ビットコインはヘッジとして機能」ウォール街が暴落する中でBTCが支持を得る

トランプ関税ショックでビットコイン価格急落|仮想通貨市場は回復するのか

トランプ関税ショックでビットコイン価格急落|仮想通貨市場は回復するのか

「ビットコイン時価総額は500兆ドルに」金や不動産が価値を失う|セイラー氏予測

「ビットコイン時価総額は500兆ドルに」金や不動産が価値を失う|セイラー氏予測