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ブロックチェーンで医薬品を再配布|製薬会社とインフラ開発:物流大手「FedEx」


FedEx技術研究所(FIT)は、製薬会社であるGood Shepherd Pharmacy(グッド・シェパード・ファーマシー)と提携を結び、ブロックチェーン技術を活用して”使用されていない医薬品”を経済的な問題を抱えているガン患者の人々に再配布するためのインフラ開発に取り組んでいます。

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医療業界における治療薬「廃棄問題」の解決策

国際輸送サービスを提供している大手企業「FedEx」の技術研究所(FIT)は、2018年6月に製薬会社である「Good Shepherd Pharmacy(グッド・シェパード・ファーマシー)」と提携を結び、経済的な問題などによって治療薬を入手することができない「ガン患者」の人々に医薬品を届けるためのインフラ開発にブロックチェーン技術を活用しています。

ガン治療薬は非常に高額ではあるものの、患者の容体や体重などに応じて使用量や販売方法などが異なり、安全面などを考慮する必要もあるため、実際には膨大な量の治療薬が廃棄されてしまっている現状があり、世界的にも大きな問題となっていました。

「FedEx」と「Good Shepherd Pharmacy」は、それらの使われずに捨てられる予定だったガン治療薬を回収して、今までガン治療薬を購入することができなかった人々に再配布することを計画しています。

Good Shepherd PharmacyのCEOであるPhil Baker(フィル・ベイカー)氏は、医療業界で医薬品が大量に捨てられている問題について次のように説明しています。

テネシー州だけでも、毎年1,000万ドル(約11億円)相当の”状態の良い処方箋”がトイレに流されています。ブロックチェーン技術はこのような問題の解決策となり得ます。REMEDI(REclaiming MEDIcine)プロジェクトが開始されることによって、高価な医薬品を購入することができなかった患者の元にも届けることができるようになります。

ブロックチェーン技術を活用すれば、ガン治療薬の情報を安全に管理することができるため、「Good Shepherd Pharmacy」のガン治療薬の中から使用されずに余っている安全な薬を効率的に見つけ出し、リサイクルすることができます。これによって医療業界で問題となっていた医薬品の無駄を削減し、より多くの人々の命を救うことができます。

日本国内でもガン治療薬の廃棄は問題となっており、2016年7月~2017年6月までの廃棄額は「738億円」にも上っています。これらの問題は国の財政にも影響を及ぼしているため、ブロックチェーン技術を活用することによって、より多くの人々を救い、大幅なコスト削減も実現することが可能になれば、これらの技術は日本も含めた数多くの国や地域で活用されていくことになるでしょう。

物流大手「FedEX」ブロックチェーン技術への取り組み

FedEx技術研究所は、メンフィス大学とFedExが協力して開設した研究所で人工知能(AI)を用いた生命科学と輸送の研究などにも取り組んでいる他、ブロックチェーン関連の人材拡大を目指している「Blockchain 901」と協力して、ブロックチェーンの専門家を集めて医療業界などの問題解決に取り組むイベントなどにも取り組んでいます。

また2018年2月には、運輸業界のブロックチェーン団体である「ブロックチェーン運輸連盟(Blockchain in Transport Alliance/BiTA)」にも参加しており、5月にはFedExのCEOであるFred Smith(フレッド・スミス)氏が『ブロックチェーンは世界中のサプライチェーンに革命を起こす技術となる』とも語っています。FedExが参加している「BiTA」には、Uber、UPS、GEトランスポーテーション、BNSF鉄道などの大手企業も参加しており、「origin trail」と呼ばれる物流業界に特化した独自のブロックチェーン技術が使用されています。

さらにFedExは、今年の9月にIBMが提供する分散型プラットフォームであるHyperledger(ハイパーレッジャー)のコンソーシアムに参加する意向も発表しています。

医療業界でのブロックチェーン・プロジェクトだけでなく、物流業界を代表する大手企業としても活躍している「FedEx」は、今後もブロックチェーン技術を活用した数多くのプロジェクトで話題を集めることになるでしょう。