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カナダの大麻合法化で「匿名仮想通貨」の使用量が増加する|eToroアナリスト


仮想通貨先進国とも言われるカナダでは、2018年10月に「嗜好用の大麻(マリファナ)」が合法化されています。eToro(イートロ)のシニアマーケットアナリストであるMati Greenspan(マティ・グリーンスパン)氏は、一見すると暗号通貨には関係なさそうに考えられるこれらの決定によって、ダッシュ(DASH)やモネロ(XMR)などの「匿名通貨」の使用量が増加することは”ほぼ確実”だと語っています。

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マリファナ購入に伴う「プライバシー問題」

カナダでは、2018年10月17日に主要先進国で初めて「個人で楽しむためのマリファナ(大麻)の使用」を合法化することが決定されました。しかし今のところその他多くの国や地域では「大麻は違法」として扱われているため、”大麻使用者”の情報は慎重に扱う必要があると考えられています。

カナダの個人情報保護委員会は今月、個人情報保護の観点から「マリファナ取引」を見た場合に考えられるいくつかの懸念点に対処するための”ガイダンス”を公開しました。この文章には、たとえ合法的に大麻を購入していたとしても、一部の国はそのことを理由に入国を拒否する可能性があるということが書かれています。

このような懸念があることから、同委員会は「大麻の小売業者に必要以上の個人情報を提供しないように」と正式に警告を出しました。

クレジットカードを使用して大麻を購入した場合には「クレジットカード番号」と「カード所有者の名前」の情報が収集がされ、会員カードなどが発行されていた場合などには「メールアドレス」などが収集される場合があります。このようなことから個人情報保護委員会は、『クレジットカードを使用するのが不安な場合には”現金”を使用することを検討するように』と説明しています。

匿名仮想通貨は「大麻購入」に最適

eToro(イートロ)のシニアマーケットアナリストであるMati Greenspan(マティ・グリーンスパン)氏は、大麻購入時のプライバシー問題によって「匿名性の高い仮想通貨」特にカナダにおける、
ダッシュ(Dash/DASH)
モネロ(Monero/XMR)
の使用量が増加することは”ほぼ確実”だと予想しています。


これ(カナダ政府の警告)によって、匿名通貨、特にカナダのDashとMoneroの使用量が増加することはほぼ確実でしょう。

カナダは以前から仮想通貨に寛容な国として知られており、同国の規制当局は2018年の初めに「デジタル通貨を対象とする国の税制を変更しない」ことを発表しました。また、2018年5月からは、アメリカなど80以上の規制機関と協力して、仮想通貨関連の”悪意ある投資商品”を排除するための「Operation Crypto-sweep」というプロジェクトも行われています。

カナダでは国民の3〜5%の人々がビットコインを保有しているとの調査報告も発表されているため、大麻を購入するために人々が現金の替わりにDASHやXMRなどの匿名通貨を使用する可能性は十分にあると考えられます。ビットコインなどの仮想通貨取引は「監視されている」ということはすでに複数の関係者の発言などで明らかにされているため、”匿名”という特徴を持ったそれらの仮想通貨は、今後もカナダのような国で重宝される可能性は高いと考えられます。