ビットコインの追跡は簡単「仮想通貨は匿名ではない」ー FBI関係者
ビットコイン(Bitcoin/BTC)などの仮想通貨(Cryptocurrency)は、匿名性が高いことなどでも広く知られており、そのような特徴からマネーロンダリング(資金洗浄)などで使用されることなどについての懸念の声もでていました。しかしFBIの関係者は、それらの暗号通貨の取引は実際には容易に追跡して利用者を特定することができることを明かしています。
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ビットコインの透明性と匿名性
仮想通貨や闇市場の捜査を担当しているFBI関係者は、Bloomberg(ブルームバーグ)が開催したパネルディスカッションの中で、金融ジャーナリストであるCamila Russo(カミラ・ロッソ)氏に対してビットコインなどの仮想通貨は実際には匿名ではなく、簡単に追跡することができるということを明かしており、具体的にビットコインが過去から現在にかけて「どのように使用されてきたか」についての詳細を語っています。
FBI関係者は『ビットコインが誕生して間もない頃は全体の90%が闇取引に使用されていたものの、現在その数は10%にまで減少しており、残りは投機的な目的で使用されている』と語っています。
これに対してロッソ氏は、「闇市場での取引」や「マネーロンダリング(資金洗浄)」などでビットコインを使用するケースは以前より減っているものの、未だに広く行われていることも語っており、ビットコインは本来「送金」や「クロスボーダー決済」などに使用されるべきだと述べています。
また仮想通貨やブロックチェーンの技術は依然として非常に扱いづらく、実際に使用するにはある程度の知識を持っている必要があることも挙げられており、『実際にこれらの技術が世の中で広く普及するには技術的に効率的ではない』とも説明されています。
今回行われたディスカッションでは、ビットコインは「匿名性」の面においては多くの人が思っているほどの性能を備えていないものの、取引に高い「透明性」があることが示されています。
仮想通貨は匿名ではなく「仮名」
一連の会話の中では、FBI当局が「闇取引」や「マネーロンダリング」などでのビットコインの使用に関しては、それほど重要な問題だとは考えていないことが明らかになっています。これはビットコインなどを使って行われた取引は、追跡することが非常に容易であることが理由です。
ロッソ氏は『ビットコインなどの仮想通貨は匿名であるため追跡が難しいと思っている人が多いかもしれないが、実際には「仮名」である』と述べており『取引をIPアドレスと結びつけることによって簡単に追跡することができる』と述べています。
これまでにも複数の著名人が仮想通貨よりも現金の方が犯罪行為に使用されていることを語っており、実際に最近では仮想通貨関連の事件での逮捕者が続々と報告されています。たとえ追跡可能であったとしても、なかったとしても仮想通貨を犯罪行為に使用するような行為は行うべきではありませんが、もし心当たりのある人がいるのであれば、考え方を改める必要があるでしょう。