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ブロックチェーンベースの配車アプリ「TADA」ベトナム・カンボジアに事業拡大


ブロックチェーン技術をベースとしたタクシー・配車アプリである「TADA(タダ)」は、2018年7月にシンガポールでサービスを開始して以降、急速に事業規模を拡大しています。同社はアプリ公開からわずか半年しか経過していないにも関わらずカンボジアに続きベトナムにも進出することを発表しました。

こちらから読む:人気配車アプリの基盤を支える「ブロックチェーン技術」の仕組み

アジア地域で事業拡大|配車アプリ「TADA」

TADA(タダ)は、韓国のブロックチェーン・プロジェクト「Mass Vehicle Ledger(MVL)」が2018年7月にシンガポールで提供を開始したタクシー・配車アプリです。

韓国語で「乗ろう」という意味をさす「TADA」は、ブロックチェーンをベースとしたピア・ツー・ピア(P2P)の配車サービスを提供しており、プラットフォームのメンテナンスのために使用される支払い手数料以外は料金がかからないため、気軽に利用できるアプリケーションとなっています。

「TADA」のもっとも特徴的な機能は、ユーザーから高評価を受けた”質の高いサービス”を提供している「タクシードライバー」に対して、MVLポイントによる報酬が支払われるという点です。

このアプリケーションはリリース直後から非常に高い人気を誇っており、サービス開始から約半年しか経過していないにも関わらず、2018年12月にはカンボジア、2019年1月21日にはベトナムにも事業を拡大しています。

「Mass Vehicle Ledger」は、カンボジアでのサービスを開始した際に「次の目標はベトナムとマレーシアである」と語っていました。またこの他にも、2019年2月までにカンボジアのトゥクトゥク(*1)ドライバーをサービスに巻き込んでいくことも計画していると伝えられています。

(*1)トゥクトゥク:東南アジアから南アジアにかけて普及している旅客用のオート三輪タクシー

アプリの人気を支える「3つの要因」

アジア地域ではタクシーを利用する人口も多く、配車アプリ自体も人気があるため、同社のアプリがこれらの地域で急速に成長していることはそれほど不思議なことではありませんが「TADA」独自の価値観やサービスの提供方法は多くのユーザーから高い評価を受けています。

ブロックチェーンによる「効率的な情報管理」

まず一般的な配車アプリとは違い、TADAはブロックチェーン技術を使用しているため、システムの効率がさらに向上しています。アプリ上で扱われる情報は正確かつ安全に保存されており、高いセキュリティを備えています。

これにより顧客は、より正確な到着時刻を確認することができ、最も理想的なルートをリアルタイムで決定することができるようになります。

「低コストなサービス」と「独自の報酬システム」

「TADA」のサービスは、支払いに必要となるわずかな手数料だけで導入することができるため、ドライバーは低コストにサービスを導入し、ユーザーも気軽にサービスを利用することができます。

さらにタクシードライバーは、乗客からの高評価を得ることによって報酬を得ることができるため、新たな収入にもつながり、自然とサービスの質も向上していくことが期待されます。

「市場を独占しない」人々により多くの選択肢を

「TADA」のサービスは、2018年の立ち上げ当初から乗客とドライバーの両者に選択肢を与えることに重点が置かれていたとされています。そのため「TADA」のサービスを導入するドライバーは、他の配車アプリを併用することが許可されています。

「Mass Vehicle Ledger」の創設者であるKay Woo氏は『他の企業や会社と競争したいと考えているわけではない』と語っており、自身で新しい市場を切り開いていくことを目指していると説明しています。

当社はドライバーとの”独占契約”を結ぶことを目指していませんし、むしろドライバーや乗客の人々は選択肢を与えられるべきだと考えています。

私たちは市場全体を手中に収めるつもりもありません。すでに市場には業界の大手が存在しているため、おそらくそれはできないでしょう。私たちがやりたいと考えているのは「人々により多くの選択肢をもたらすこと」です。

今後は「データ共有パートナーシップ」も予定

シンガポールから始まり、カンボジア、ベトナムへと急速に事業を拡大している「TADA」は、今後もさらに広い範囲へとサービスを拡大していくことを予定しています。

同社は2019年には、その他の企業とデータ共有のためのパートナーシップを築いていくことを目指しており、
・ウォレットアプリ
・レンタカー
・運転手サービス
などのプラットフォームを立ち上げる予定であると伝えられています。

「TADA」は、2019年1月時点でシンガポールに「27,000人以上のドライバー」と「20万人以上のユーザー」を抱えていると伝えられていますが、この数字は今後もさらに拡大していくことになると予想されます。

2019年1月22日|Mass Vehicle Ledger(MVL)の価格

Mass Vehicle Ledger(MVL)の価格は、2018年8月時点では「1MVL=0.65円」で取引されていたものの、その後は下落が続いており、2019年1月22日時点では「1MVL=0.035円」で取引されています。

2018年12月24日〜2019年1月22日 MVLのチャート(引用:coingecko.com)