仮想通貨市場で「弱気相場」が続いていることによって、業界では「Crypto Winter(暗号通貨の冬)」という表現が使用されるようになりました。しかし、ブロックチェーンスタートアップ「Civic(シビック)」のCEOであるVinny Lingham(ヴィニー・リンガム)氏は、近い将来「Nuclear winter(核の冬)」という言葉が適切になる可能性があると語っています(*1)。
(*1)核の冬:核戦争によって地球環境に大規模な変動が起こり、氷河期が訪れること。今回のケースでは長期的に「仮想通貨価格の低迷・下落」が続く可能性があることを例えている
ビットコインが「33万円」を下回ると…
ビットコイン(Bitcoin/BTC)の価格は2017年12月から下落が続いており、約1年が経過した2018年12月には3,000ドル(約330,000円)近くまで下落しました。ブロックチェーンスタートアップ「Civic(シビック)」の最高経営責任者(CEO)であるVinny Lingham(ヴィニー・リンガム)氏は、3,000ドルのサポートを下回った場合、仮想通貨市場には長期的に「価格の下落・低迷」が続く”核の冬”が訪れる可能性があると語っています。
もしビットコインが3,000ドル(約330,000円)を下回ると「crypto winter(仮想通貨の冬)」は「crypto nuclear winter(仮想通貨の核の冬)」になるでしょう。
昨年12月頃からは一時的な価格上昇が見られたものの、今のところ大幅な価格上昇につながるような回復は見られていません。先月24日にはビットコイン価格が一時的に「47万円」近くまで回復しましたが「50万円」の壁を越えることはできませんでした。
依然として多くの仮想通貨投資家たちは「高値を目指す」のではなく、次の強気相場に乗るための「さらなる底値」を待ち望んでいます。
BTC価格回復には「実用化」が必須
現在の仮想通貨業界ではビットコインは「33万円」を下回るという予想も強まってきており、リンガム氏も『ビットコインが現実世界で実際に使用されるようになるまでは、底値を見つけることはできない』と語っています。
実際問題として、仮想通貨は現実世界での採用とユースケースを必要としています。実際に仮想通貨の採用が進み、具体的な使用方法が見つかるまでは”新たなバブル”が訪れることはないでしょう。
投機的な流れは終わりました。現在人々は「具体的な数字」と「使用量」及び「取引量」を望んでいます。
リンガム氏は、昨年11月に『ビットコイン価格は2019年末までに2万8,000ドル(約319万円)に達する』主張していたRonnie Moas(ロニー・モアス)氏に反論し、仮想通貨企業はあまり利益を上げることができていないため、それらの企業が手持ちの仮想通貨を売却することによって「最終的に仮想通貨市場は下落する」と語っています。
ビットコインに関連する研究開発は着実に進んでいるため、技術的な面で見ると「将来は安泰である」と考えられます。しかし、今後は実際にそれらの技術が実用化され、流動性が高まる必要があると考えられます。
最近では、アメリカなどでビットコインATMの導入が加速してきているため、ビットコイン決済の導入促進につながる”何か”が起こればこの状況が解決するとも考えられますが、”決済通貨”として広く使用されるようになるのであれば、これまでに起こってきたような急激な価格高騰が起こる可能性は低いとも考えられます。
リンガム氏が語るように仮想通貨市場に「核の冬」が訪れるのであれば、ビットコイン価格が再び最高値に到達するまでには長い期間が必要となる可能性があります。
2019年1月31日|ビットコイン(Bitcoin/BTC)の価格
ビットコイン(Bitcoin/BTC)の価格はここ最近で40万円を下回ってきており、2019年1月31日時点では「1BTC=380,018円」で取引されています。
昨年末の価格回復には期待が高まりましたが、長期的に見るとその価格回復もそれほど強いものではなかったようにも感じられます。