米国証券取引委員会(SEC)のコミッショナーであるRobert J. Jackson Jr.(ロバート・J・ジャクソン・ジュニア)氏は、米国のニュースサイト「Roll Call」とのインタビューの中で「ビットコインETFの承認はそれほど遠い先の話ではなく、じきに認められることになる」との考えを語りました。
SECの申請拒否が「改善・承認獲得」へと繋がる
米国証券取引委員会(SEC)で唯一の民主党委員であるRobert J. Jackson Jr.(ロバート・J・ジャクソン・ジュニア)氏は、アメリカのニュースサイト「Roll Call」とのインタビューの中でこれまでに申請が却下されてきたビットコインETFについて「最終的には承認される」と楽観的に考えていることを明らかにしています。
インタビューの中で「SECが提示してきた基準を満たすビットコインETFは出てくると思うか?」と尋ねられたジャクソン氏は、その質問に『YES』と回答し、基準を満たすビットコインETFが作成されるのを期待しているとの考えを語っています。
ー SECがこれまでに提示してきた基準を最終的に誰かが満たすことになると思いますか?
はい、私はそうなることを願っていますし、そうなると思っています。
世界で最も流動性の高い資本市場から承認を得ることは難しいかもしれませんが、承認を得る努力をすべきです。そうでなければ、米国の投資家の人々がビットコインETFによって怪我を負うことになる可能性があります。
具体的にどのタイミングで承認されるのかについては語られていないものの、SECが申請を拒否することによって新しいアイデアが考案されることになるため、ビットコインETFに関連する、仮想通貨の流動性、市場操作の可能性、投資家保護などの問題はいずれ解決されることになると同氏は考えています。
2018年には、複数のビットコインETFに関する申請が行われましたが、それら全ては最終的に拒否されています。ジャクソン氏は仮想通貨取引所Gemini(ジェミニ)を運営しているウィンクルボス兄弟によって申請されたビットコインETFは「投資家保護に関する問題点が多かったため、拒否決定を下すのは簡単だった」と説明しています。
私の見解では、昨年ウィンクルボス兄弟から提出されたビットコインETFに対する拒否判断を下すのは難しいものではありませんでした。価格操作によって、人々への被害がさらに拡大するリスクがある状況において、市場の流動性の問題は非常に深刻でした。
この件に関してはウィンクルボス兄弟もSEC側が主張する懸念点を理解しており、不正行為を監視するためのチームを結成するなどの対応を取りながら、承認獲得に向けた取り組みを進めています。
また「承認される可能性が高い」として期待が高まっていたCBOE(シカゴオプション取引所)のビットコインETF申請に関しても、Van Eck社のCEOであるJan Van Eck(ジャン・ヴァン・エック)氏が「これまでに指摘されていた懸念点の解決策は取られている」と語っており、より理想的なものへと改善が計られていることを強調しています。
先月は仮想通貨インデックスファンドである「Bitwise Asset Management(ビットワイズ・アセット・マネジメント)」が新しいビットコインETFをSECに申請しており、ビットコインETFの承認は2020年になる可能性が高いとの見方も強まってきています。今後さらに改善が進められていくことによって、実際に承認されるビットコインETFは既存の問題点を解決したより良いものになっていることが期待されます。
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2019年2月9日|ビットコイン(Bitcoin/BTC)の価格
仮想通貨市場では、8日の午後頃から大幅な価格上昇が見られており、ビットコイン(Bitcoin/BTC)の価格は本日午前2時の時点で約40万円まで上昇しています。
その後やや下落したことによって2019年2月9日12時時点の価格は「1BTC=400,222円」となっていますが、現時点でも多くの仮想通貨が過去24時間で10%〜30%ほどの価格上昇を記録しています。