仮想通貨市場への影響は?アメリカ政府機関の閉鎖「3週間」解除へ
米国のDonald Trump(ドナルド・トランプ)大統領は、2019年1月25日に長期間に渡って閉鎖されていた政府機関を「約3週間」再開することで与野党と合意したと発表しました。今回の決定は仮想通貨業界で期待が高まっている「ビットコインETF」や「先物取引」の承認を早めるきっかけとなる可能性があります。
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米国史上最長「政府機関の一部閉鎖」
米国では「メキシコ国境の壁」を建設するための費用に関する議論が続いており、トランプ大統領と民主党下院議会との間で対立が起こっていました。これによって米国政府の一部の機関は2019年12月22日から閉鎖されており、自宅待機や無休労働を強いられている政府職員の数は約80万人に上ると言われていました。
閉鎖されている政府機関の中には運輸保安庁、国立公園局、航空管制官なども含まれており、これらの政府機関は予算切れの状態となっていました。このようなことから演説者として大統領に議会演説に招待する憲法上の権限を持っている野党・民主党幹部のNancy Pelosi(ナンシー・ペロシ)下院議長とトランプ大統領の間では激しい議論も行われており、ペロシ氏は「政府機関閉鎖」の問題が解決するまでは招待状を発表しないとも語っていました。
2019年1月25日は多くの政府職員にとって2度目の給料日であり、近代アメリカ史上最長となる「政府機関の一部閉鎖から35日が経過した日」でもありました。この日トランプ大統領はこれまで閉鎖されていた政府機関を3週間だけ再開することで合意しました。
ビットコインETF・先物取引「承認」の可能性
「アメリカ政府機関の一部閉鎖」は仮想通貨業界にも大きな影響を与えていました。最近ではビットコインETFやビットコイン先物取引の承認に注目が集まっていましたが、米国証券取引委員会(SEC)や商品先物取引委員会(CFTC)は今回の騒動の影響などから「承認審査」に遅れを出していました。
Cboe BZX Exchange(シカゴオプション取引所)が提出していたビットコインETFの提案は、2019年1月22日に撤回されたことが発表されています。この撤回の主な理由としては米国政府機関の長期的な閉鎖が「ビットコインETF承認審査の妨げとなっていることなどが挙げられていました。
また、ビットコイン先物取引の開始に目けた準備を進めている仮想通貨取引プラットフォームBakkt(バックト)は、先物取引の提供を2019年1月24日に予定していましたがこれに関しても延期が発表されており、ビットコイン先物取引の公開日は「商品先物取引委員会(CFTC)のプロセスとスケジュールに従って修正される」と説明されていました。
「米国政府機関の再開」は、これまで歯止めがかかっていた「仮想通貨関連サービスの承認審査プロセス」を再開に向かわせる可能性があると考えられています。Bakktなどはこれまでにも承認を得るための取り組みを続けてきているため、適切に審査が行える状況が作られれば本格的に承認に向かう可能性があるとも考えられます。
今回発表された政府機関の一時再開は「約3週間」とされているため、この期間中に承認が降りるとは言い切れませんが、このまま政府機関の再開が順調に進めば承認される可能性もあると考えられます。いずれにせよ今回の発表は「ビットコインETF」や「先物取引」の承認のための好材料であると言えるでしょう。米国政府が今後どのような方向に動いていくのかにも注目が集まります。
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2019年1月26日|ビットコイン(Bitcoin/BTC)の価格
ビットコイン(Bitcoin/BTC)の価格には今のところ大きな変化は見られておらず、2019年1月26日時点では「1BTC=394,223円」で取引されています。
BTCはこの1ヶ月の間40万円前後での推移を続けており、過去30日間の最安値は今月14日の「1BTC=378,309円」となっています。