ブロックチェーン技術は自動車業界で幅広く活用されていますが、オーストラリア最大の電力会社「Wien Energie」は、分散型台帳技術(DLT)を電気自動車の充電ステーションに活用して「柔軟かつ安全でスケーラブルなエネルギー管理システムの基盤」を構築するためのプロジェクトに取り組んでいます。
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オーストラリア最大の電力会社である「Wien Energie」は、2019年3月29日に分散型台帳に基づいた電気自動車用充電ステーションのテストに取り組んでいることを発表しました。
公開された公式プレスリリースによると、「Wien Energie」は”ブロックチェーンインタフェースソリューション”を提供しているヨーロッパの大手企業「Riddle&Code」と協力して、”統合された安全なマシンID”を備えた電気自動車の充電ステーションをテストしているとされています。
このプロジェクトは「スマートメーター/生産者/消費者」といった電力供給チェーンの様々な側面を結びつける「改ざん不可能なデータインターフェース」を提供することが目的とされており、現在は「充電ステーション/太陽光発電設備/家庭用メーターのハードウェア」を統合するためのテストが行われていると報じられています。
「Wien Energie」が開発を進めている充電ステーションは、初期段階で「課金取引のリアルタイム決済を可能にする」と伝えられており、このシステムが正常に動作することが証明されれば、2019年の終わりごろには実際に展開が始まると予想されています。
ブロックチェーン技術を活用した「電気自動車の充電ステーション」はその他でも開発が進められており、オランダで太陽光や風力発電の活用に取り組んでいる「ElaadNL」は、2019年4月にアイオータ(IOTA/MIOTA)を活用した世界初の電気自動車充電ステーションを発表しています。
自動運転車の情報を管理するためにブロックチェーン技術を取り入れる企業はすでに複数存在していますが、今後は自動車に関連するその他の分野でも「ブロックチェーン」や「分散型台帳」を取り入れていく動きが加速していくことになると予想されます。