ビットコイン(Bitcoin/BTC)などの仮想通貨がこれから世の中で広く普及していくためには、誰でも気軽に使用できるようにするための新しい方法が必要であると言われています。開発者の人々はそれらの課題をクリアするためのアプリケーション開発に取り組んでいますが、一部の仮想通貨ユーザーは体内に「マイクロチップ」を埋め込むことによって主要な暗号資産を「使いやすいお金」として使用しています。
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「バイオハッキング」によって進化する人々
ビットコイン(BTC)などの仮想通貨をより安全に保管するために、一部の人々は自らの体内にそれらの資産を保管しています。2014年には、オランダでビットコインATM関連の会社を手がけている起業家のMartijn Wismeijer氏が自分自身の体内にビットコインウォレットを埋め込んだことが話題となっており、その後は多くの人々が実際に自分の手にマイクロチップを埋め込んでいます。
マイクロチップのインプラントなどのサービスを提供している人気店「Dangerous Things」によると、実際にチップを埋め込んでいる人々の数は現在10万人に上るとされています。このような人々は「自らの肉体」と「科学・テクノロジー」を融合させる「バイオハッキング」が人間の次の進化の段階であると考えています。
同社は現在、
・Vivokey spark(約15,000円)
・XDF2 Desfire(約15,500円)
・Xnt NFCチップ(約11,000円〜19,000円)
・Flexnt(約16,000円)
・Vivokey Flex 1(約112,000円)
といった様々なチップを個人向けに販売しているほか「バイオマグネット」と呼ばれる磁石を体内に埋め込むサービスなども展開しています。
ビットコインの送金以外でも使用可能
日本に住む多くの人々は「ビットコインを保管するためにマイクロチップを埋め込む」と言われるとやや抵抗を感じるかと思われますが、同社が提供している様々なサービスの中の一つとしてみると「マイクロチップの埋め込み」は比較的一般的なバイオハッキングであるようにも感じられます。
「Dangerous Things」の公式YouTubeチャンネルで公開されているプロモーションビデオには、体内に埋め込んだマイクロチップを使用することによって「ビットコインなどを使った送金」だけでなく「自動車や家の鍵の開け閉め」や「改札口などの通過」もできることが示されています。
このようなマイクロチップはその種類によって違いがありますが、より高性能なチップであれば様々な機能を追加することができます。具体的には、
・個人のID番号
・個人識別情報
・医療ファイル
・連絡先情報
などがあげられますが、マイクロチップに記録できる容量が増えればその可能性はさらに広がることになります。
マイクロチップは「未来のBTC保管方法」になるのか?
日本における「マイクロチップを埋め込み」に関しては法律上の問題などもあるため、現時点では実際に処置を行える場所も非常に限られています。そのため「ビットコインを体内で保管する」という選択をする日本人は極めて少ない状態が今後も続くと予想されます。
しかしながら海外では実際にチップを埋め込む人も増えており、スウェーデンの国鉄では非常に早い時期から手に埋め込まれたマイクロチップで決済を行い乗車することが可能となっています。
また、スウェーデンの他にもスイスやアメリカなどでも実用化されているため、世界的にはチップを埋め込む人々が増加していくことになると予想されます。
実際に世の中で「マイクロチップのインプラント」が受け入れられるためには解決すべき多くの課題があると考えられますが「チップを埋め込むことによって仮想通貨の利便性を高めることができる」という点では大きなメリットがあります。
仮想通貨の気軽な保管・管理方法としては「スマートフォン」などもあるため、今後は人々がどちらを選択していくかによって、将来は変わっていくことになるでしょう。