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DApps市場レポート:TRON(トロン)ユーザー数、年初から「50%アップ」急速に増加中


分散型アプリケーション(DApps)の分析サイト「DAPP.com」が2019年4月9日に発表したレポートによると、開発者からの人気が高いのはイーサリアム(Ethereum/ETH)であるものの、トロン(TRON/TRX)をベースとしたDAppのユーザー数が急増していることが示されています。

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TRONのDAppsユーザー数「年初から50%増加」

現在、注目を集めているブロックチェーン技術を用いたアプリケーション「分散型アプリケーション(DApps)」の世界では、
イーサリアム(Ethereum/ETH)
トロン(TRON/TRX)
イオス(EOS)
などの有望なプロジェクトが競合しています。

以前はイーサリアムベースの開発が主流だったDApps市場ですが「DAPP.com」が発表した「2019年第一四半期:DAppsマーケットレポート」では、TRONベースのアプリケーションがDAppユーザーの間で人気となっており、急成長を遂げていることが示されています。

DAppのアクティブユーザー数は、
1位:トロン(303,747)
2位:イオス(262,450)
3位:イーサリアム(186,544)
とトロンが30万人を超えており、今年第一四半期に作成されたトロンのウォレット数のうち15%がDAppユーザーによるものとされています。これはトロンのDAppsを利用するユーザー数が年初から比べると50%も増加している事を意味します。

2019年第一四半期DAppsマーケット概要(画像:dapp.com)

イーサリアム(ETH)とトロン(TRX)の競争に注目

イーサリアムベースのDAppユーザー数は昨年と比較して4%減少しているものの、総ユーザー数では未だ1位の「1,151,657人」となっています。今年の第一四半期には504個ものDAppが追加されたと報告されていますが、その半分以上がイーサリアムベースのものとなっているため「イーサリアムが依然として開発者たちの主要なプラットフォームである」ということがわかります。

人気のプラットフォームであるにも関わらず、ユーザー数が伸び悩んでいることの原因としては「現在のイーサリアムにはスケーラビリティ問題が立ちはだかっている」ということが一因であるとされています。DAppsのプラットフォームとして広く利用されるようになるためには「多くのトランザクションを迅速に処理する事」が必要とされますが、スケーラビリティの問題が残されていることによって「処理時間の遅延」や「高額な手数料」といった問題が発生します。

一方、トロンは手数料も低額でトランザクション処理にかかる時間も高速となっています。また、DAppユーザーの間ではギャンブル系アプリが人気を博しており、トロンは特に多くのギャンブル系DAppゲームを提供しているため、このようなこともアクティブユーザー数の増加を後押ししていると考えられます。

しかし、イーサリアムの問題点を解決するための研究開発も進められているため、既存の問題点が解決されれば今後は再びイーサリアムベースのDAppsが大きく成長する可能性もあると予想されます。DApps市場で続いているシェア獲得の競争には今後も注目が集まります。

>>「DAPP.com」が公開したレポートはこちら

2019年4月17日|トロン(TRON/TRX)の価格

トロン(TRON/TRX)は、2019年4月17日の時点で時価総額11位に位置付けられています。市場の暴落に釣られトロンも下落したもののその後は横ばいの状態が続いており、記事執筆時点では「1TRX=2.95円」で取引されています。TRONは5月下旬にセカンドレイヤーである「サン・ネットワーク/Sun Network)」のテストネットも計画しているため、今後の成長にも期待が高まります。

2019年3月18日〜2019年4月17日 TRXのチャート(引用:coingecko.com)