アメリカを拠点とする大手仮想通貨取引所Coinbase(コインベース)は、サービスの利用可能地域として新たに中南米と東南アジアの11カ国を追加し、合計53カ国向けに暗号資産同士の取引サービスを提供していくことを発表しました。同社は現在仮想通貨業界は「投資段階」から「実用化段階」へと移行していると説明しています。
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利用可能地域「53カ国」に拡大
Coinbase(コインベース)が提供している仮想通貨取引所サービス「Coinbase.com」と「Coinbase Pro」は、これまで32カ国向けに提供されていましたが、今回の発表では中南米と東南アジアにある以下の11カ国でもサービスが利用できるようになるとされています。
・アルゼンチン
・インド
・インドネシア
・コロンビア
・チリ
・ニュージーランド
・フィリピン
・ペルー
・メキシコ
・韓国
・香港
これらの国々が追加されたことによって、Conabaseの利用可能国は世界4大陸の合計53カ国となっています。
「仮想通貨同士の取引」を提供
今回追加された11カ国では「仮想通貨と法定通貨の取引」ではなく「仮想通貨と仮想通貨の取引」もしくは「仮想通貨とステーブルコインの取引」が提供されることになります。
Coinbaseは、仮想通貨同士の取引のみを提供する理由として、仮想通貨同士の取引量が増加していることを説明しています。
公開されているデータでは、
【2018年8月】
仮想通貨 – 仮想通貨の取引:41%
仮想通貨 – ステーブルコインの取引:16%
法定通貨 – 仮想通貨の取引:43%
【2019年2月】
仮想通貨 – 仮想通貨の取引:51%
仮想通貨 – ステーブルコインの取引:26%
法定通貨 – 仮想通貨の取引:23%
となっており、仮想通貨と法定通貨の取引量が減少していることが示されています。
仮想通貨業界は「投資段階」から「実用化段階」へ
Coinbaseはこのデータに基づいて仮想通貨業界は「投資段階」から「実用化段階」へと移行していると説明しています。同社は今月11日にクレジットカードなどで知られる「VISA」と提携を結び、VISAカードを使用して仮想通貨決済や引き出しを行うことができるデビットカード「Coinbase Card(コインベースカード)」を発行することを発表しています。
「Coinbase Card」の利用可能地域はイギリスに限定されているものの、仮想通貨取引サービスと共にこのカードの利用可能地域がこれから拡大していくことによって、仮想通貨の取引量や実用性はさらに高まっていくことになると予想されます。
CoinbaseのMike Lempres(マイク・レンプレス)氏は、昨年10月に『日本での仮想通貨交換業ライセンスは2019年には間違いなく取得することができる』と語っているため、今後は日本進出に向けた同社の取り組みにも注目です。
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