フィンテック(Fintech)関連の事業を手掛けているスタートアップ企業である「Fluidity(フルイディティ)」は、アメリカのカリフォルニア州とニューヨーク州でイーサリアム(Ethereum/ETH)の技術を活用した住宅ローンサービスを開始することを発表しました。このサービスは、家をトークン化するものとなっており、複数の面で潜在的なリスクや懸念点に対処することができると伝えられています。
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イーサリアム(ETH)を活用した「住宅ローン」
フィンテック関連のスタートアップ企業である「Fluidity(フルイディティ)」は、カリフォルニア州とニューヨーク州で初めてイーサリアム(ETH)の技術を用いた住宅ローンを提供する計画を発表しました。Coindeskの報道によると、このサービスは今年の夏に開始される予定だと伝えられています。
「Fluidity」が提供する住宅ローンは、仮想通貨とスマートコントラクトを使用してバックエンドの管理を行います。
同社のチーフアーキテクトであるTodd Lippiatt(トッド・リピアット)氏は、このプロジェクトが家をトークン化することにすることによってトークンの担保として使用することを説明しており、『Fluidityは現在「MakerDAO(メイカーダオ)」の分散型ステーブルコイン「DAI(ダイ)」のローンのような、イーサリアムを中心とした貸付プラットフォームとの提携を模索している』と語っています。
効率的に複数のリスクを削減
イーサリアムをベースとしたステーブルコインは、未だに安定性と流動性の面で課題を抱えていますが、「Fluidity」が提供する住宅ローンでは、不動産の借り手も売り手も直接仮想通貨に触れるわけではないため、リスクを軽減することができると説明されています。
Lippiatt氏は、同社の役割について「分散型システムの内部作業に対処すること」だと説明しています。融資を受ける個人は法定通貨で支払いを行い、Fluidityはリスクプロファイルを扱います。
「Fluidity」の住宅ローンを使用して不動産を借りる人々は、取引を行う際の「信用情報」や「個人データ」などといったオンラインローンで必要となるものを提出する必要があります。それらの情報を管理する「Fluidity」は、住宅ローンをトークン化した形で反映させるためのスマートコントラクトを作成すると説明されており、最終的にはローンが「AirSwap」のような取引所を通じて証券として売却される可能性があると伝えられています。
全体的に見るとこれらのプロセスは従来の住宅ローンによく似ていますが、リピアット氏はFluidityが提供する住宅ローンは「中央銀行の政策」や「政治的な影響」を受けることなく、より簡単に低コストな料金設定を提供することができると説明しています。
当社提供する方法は、国内中央銀行の政策や政治的影響などの外的要因とは対照的に、取引の本質的な信用によってのみ決定されるより良い価格設定を提供します。
ブロックチェーン活用した「不動産取引」は日本でも
ブロックチェーン技術を用いて不動産をトークン化する取り組みは世界各地で進められており、今年4月には北海道のニセコにある2つの物件がブロックチェーン上で取引されたことも報告されています。
仮想通貨やブロックチェーン技術を使用すれば、様々な面でコストを削減するだけでなく、取引記録を安全に保管することもできるため、不動産の分野ではこれらの技術を積極的に取り入れる動きが見られ始めています。
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