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G20サミットに先立ち「暗号資産リスク」に関する報告書を公開:金融安定理事会(FSB)


G20の国際監視機関である金融安定理事会(FSB)は、2019年5月31日に公開した”暗号資産に関する報告書”の中で「規制当局は暗号資産(仮想通貨)分野での金融活動に関するリスク評価戦略を改善する必要がある」との説明を行いました。

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G20の国際監視機関であるスイスを本拠地とする金融安定理事会(FSB)は、2019年5月31日に公開されたG20の財務大臣および中央銀行総裁宛ての報告書の中で「規制当局は仮想通貨分野で金融の安定性に影響を与える可能性のあるリスクを予測できるよう努力すべき」だと述べています。

「経済協力開発機構(OECD)」や「バーゼル銀行監督委員会(BCBS)」などの国際機関は、暗号資産から生じる問題に直接対処しながら、
・投資家保護
・市場の健全性
・マネーロンダリング防止
・銀行のエクスポージャー(*1)および財務安定性の監視
などに取り組んでいますが、規則の内容は国によって異なります。

(*1)エクスポージャー:投資家や企業が持つ金融資産(ポートフォリオ)の中で、市場の価格変動のリスクにさらされている資産の度合い(割合)のこと

この報告書はそのような「規制の違い」を指摘すると共に、「暗号資産のエコシステムが急速に進化していることなどを踏まえるとそれらの重要性を評価することは困難である」ということが記されており、規制当局が見込めるリスク評価の指標の1つとして、銀行や他の金融機関による暗号資産のエクスポージャーの程度を検討することができると述べられています。またこのレポートでは「FSBは現在、暗号資産が金融部門に重大な安定リスクをもたらすとは考えていない」とも付け加えられています。

報告書によると、既存の仮想通貨規制はやや不十分であり、技術革新のスピードも速いため、疑わしい規制分野が残っている可能性があります。また、暗号資産の規格は国によって違いがあるため、規制当局の管轄外になる可能性があります。

具体的な「規制の違い」としては、中国では仮想通貨の交換が「ほぼ全面禁止」となっている一方で、日本では仮想通貨交換業者の免許取得をもって「合法化」しようとしていることなどが挙げられます。

このような規制の違いはマネーロンダリング(資金洗浄)などといった様々な問題の原因にもなってしまうため、以前から解決すべき重要なことの1つとしてあげられていました。やがて開催される「G20サミット」では、暗号資産の国際規制を日本が主導すると期待されているため、サミットの詳細などにも注目が集まります。

>>「FSB」が公開したレポートはこちら

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