ドイツに本拠を置く大手製薬「Boehringer Ingelheim(ベーリンガーインゲルハイム)」が、ブロックチェーンベースのヘルスケアプラットフォームである「Solve.Care」と提携したことが2019年6月6日に明らかになりました。両社は糖尿病患者に関するデータを信頼できる方法で共有するための「ブロックチェーンとデジタル資産を活用したネットワーク」を構築する計画だと伝えられています。
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世界におけるトップ20の製薬会社の1社でありながら、株式を公開しない製薬会社としては世界最大の会社でもある「Boehringer Ingelheim(ベーリンガーインゲルハイム)」は、糖尿病患者に関するデータ共有に信頼性をもたらすためにブロックチェーン技術を用いたヘルスケアプラットフォームである「Solve.Care」と提携しました。
「Solve.Care」のブロックチェーンプラットフォームをベースとして開発された新しいヘルスケアシステムは「糖尿病治療管理ネットワーク」と呼ばれており、糖尿病患者や心血管疾患のリスクが高い患者の状態を改善することを目的にしていると伝えられています。
このネットワークは「Solve.Care」によって作成された「Care.Wallets」と呼ばれる独自ツールを使用しており、糖尿病やそれに関連するリスク・予防・症状に関する情報を患者と医療関係者に提供し、家族や医師のケアを最適化および調整するサポートを行うとのことです。
ネットワークは2019年末までには稼働する予定であるとされており、最初は米国の大手アカウンタブル・ケア(*1)会社である「Arizona Care Network(ACN)」の25,000人の患者に対して導入されることになっています。
(*1)アカウンタブル・ケア:医療の質とコストの両方に焦点をあてた新しい医療サービスのこと。質の高い医療をより安価に提供することができる方法を取っていることで注目を集めている。
医療分野でのブロックチェーン技術活用は世界中で進められており、データ共有や医薬品のサプライチェーン管理などにも役立てられています。当メディアでは、これまでにも医療業界における様々な活用事例を紹介してきているので、そちらの記事も合わせてご覧ください。