人気の分散型取引所(DEX)の一つである「Bancor(バンコール)」は、2019年7月8日から米国ユーザー向けの仮想通貨取引サービスを中止することを発表しました。先日は大手取引所である「Binance.com」も米国向けサービスを終了することを発表しているため、今後はこのような対応をとる企業が増えていく可能性が考えられます。
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分散型取引所「Bancor」米国向けサービス停止へ
仮想通貨の分散型取引プラットフォームである「Bancor(バンコール)」は、2019年6月18日に投稿したツイートで「2019年7月8日から米国ユーザー向けの仮想通貨取引サービスを中止する」ことを発表しました。
トークンへの「アクセス・保管・出金」はできるものの、取引はできないことになっているため、実質的に米国ユーザーは「Bancor」から撤退していくことになります。
2019年7月8日(米国東部標準時間午前9時00分)以降は、米国市民、居住者、または米国IPのユーザーは、BancorのWebアプリケーション(http://bancor.network)でトークンを交換できなくなります。
トークンへのアクセス、保管、送信は引き続き利用できます。
続く「米国ユーザーブロック」の対応に要警戒
今回の決定の理由としては「規制の不確実性」が挙げられています。米国の仮想通貨規制が明確化されていないことは仮想通貨業界で度々指摘されており、このような理由から米国向けのサービスを中止する企業は増えてきています。
最近では、大手仮想通貨取引所BINANCE(バイナンス)が米国の規制に基づいてサービスを提供するために、本家となる「Binance.com」での米国向けサービスを終了し、新しく米国向けの仮想通貨取引所「Binance US」を設立することを発表しています。
BINANCEに続いて「Bancor」が米国向けのサービスを中止することによって、今後はその他の取引所も同様の対応を取る可能性も考えられますが、米国は「仮想通貨トレーダーが特に多い地域(*1)」でもあるため、米国ユーザーがブロックされた場合には「その取引所でしか取引できないアルトコインが大量に売られる可能性がある」と懸念されています。
(*1)DataLight社が2019年4月29日に公開した調査報告では、仮想通貨取引所ランキング上位100位に位置付けられる取引所の利用者数で、米国が月間約2,260万人とダントツの1位を獲得。2位は日本の約610万人。
現在の各取引所の動きから考えると、今後は米国ユーザーに対する対応や各アルトコインの価格変動にも注意を払う必要があると予想されます。
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