IBM Research(IBMリサーチ)は低コストの衛星接続センサーのプロバイダー「SweetSense Inc.(スウィート・センス)」と提携して米カリフォルニア州の干ばつ問題に取り組んでおり、ブロックチェーンとIoT(モノのインターネット)技術を活用して「持続可能な地下水の利用」を目指しています。なお、このプロジェクトには非営利団体「The Freshwater Trust(TFT)」と「コロラド大学のボルダー校」も参加を表明しています。
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ブロックチェーンとIoTで「干ばつの被害」を防止
米カリフォルニア州において「干ばつ」は深刻な被害となっています。サクラメント郡サンワーキン川にあるデルタ地域はカリフォルニア州の給水系統の中核とされていますが、その一方では「干ばつ時には最も危険な状態となる帯水層(*1)」とも言われています。
(*1)帯水層:地下水を含んでいる地層のこと
IBM Research(IBMリサーチ)は、同デルタ地域の帯水層の地下水を持続的に利用可能とするべく、ブロックチェーンとIoT(モノのインターネット)の技術を活用して地下水を管理する事を目指しています。
なお、このプロジェクトは
・SweetSense Inc.(センサー技術を提供するプロバイダー)
・The Freshwater Trust(TFT/淡水生態系の保護と修復を目的とした非営利団体)
・米コロラド大学のボルダー校
との提携を通じて、共同で進められることになっています。
監視・追跡機能を強化し「水資源を効率的に活用」
プレスリリースによると、このプロジェクトでは「”IoTリモートセンサー”を使用して取得した地下水量の抽出データを周回軌道衛星に送信する」と説明されています。所得したデータは、IBMクラウドがホストするスマートコントラクトが実装された「IBMブロックチェーン・プラットフォーム」に記録されます。
記録されたデータはWebベースのダッシュボードを通じて農家や規制当局・消費者と関係者全員がブロックチェーン上で閲覧・監視する事ができるようになっており、リアルタイムで地下水の使用状況を追跡することも可能となっています。
全ての水を使用しなかった農家は必要とする農家に「地下水の株式」として販売する事もできるため、今までよりも効率的に水を活用する事ができます。
今回、このプロジェクトを行うデルタ地域周辺の広大な土地の75%近くが農業に使用されています。ブロックチェーンやIoTなど最新の技術がこのような深刻な問題を解決できるようになればますます注目される事になるでしょう。
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