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ブロックチェーン貿易基盤「TradeLens」海運業界で主流に|日本大手企業も参加


日本の大手海運業者である「オーシャンネットワークエクスプレス(Ocean Network Express/ONE)」と、ドイツの海運・コンテナ運送会社である「Hapag-Lloyd(ハパックロイド)」が、世界最大規模の海運企業「Maersk(マースク)」と「IBM」が開発したブロックチェーン貿易プラットフォーム「TradeLens(トレードレンズ)」に参加したことが2019年7月2日に明らかになりました。

こちらから読む:数多くの大手海運業社が活用している「ブロックチェーン技術」とは

海運大手6社のうち「5社」が参加

「ONE」と「Hapag-Lloyd」が参加した「TradeLens」は、ブロックチェーン技術に支えられたオープンで中立的な国際貿易プラットフォームであり、透明性の高い状態で安全かつ効率的に情報を交換することができる場を作ることによって、プラットフォームに参加している企業間の信頼性を向上させ、輸送時間を短縮し、コスト削減などを図ることを目的としています。

「Tradelens」のプラットフォームは急速にその規模を拡大してきており、2018年末時点で「100以上の組織」と「20の港湾運営者」を迎え入れ、2億3,000万の出荷品を登録、2,000万を超えるコンテナを処理したと報告されています。

このプラットフォームには、2019年5月に海運業界で第2位に位置付けられるスイスの企業「メディタレニアン・シッピング・カンパニー(Mediterranean Shipping Company/MSC)」と、第4位に位置付けられるフランスの企業「CMA CGM」が参加しています。

今回新たに参加した「Hapag-Lloyd」と「ONE」は、世界で5、6番目に大きい海運業者であり、両者が参加したことによって「Tradelens」には世界の6大海運業社のうち5社が参加していることになります。

世界有数の海運大手「ONE・Hapag-Lloyd」

ONEは「川崎汽船・商船三井・日本郵船」のコンテナ船事業を統合することによって2017年に生まれた企業であり、香港のグローバル本部、シンガポール・イギリス・アメリカ・ブラジルの支社によって支えられています。世界で6番目に大きいとされる「ONE」は、合計210隻以上の船舶を運航しており、120カ国以上にサービスを提供する迅速かつ信頼できる国際ネットワークを提供しています。

Hapag-Lloydは「近代的なコンテナ船235隻」を有し、「総輸送容量170万TEU(*1)」を誇っている世界有数の企業であり、128カ国に約12,800人の従業員と398の事務所を持っています。同社は大西洋横断、中東、ラテンアメリカ、アメリカ内の各取引における主要な事業者の1つです。
(*1)TEU:20フィートコンテナを1単位として、港湾が取り扱える貨物量を表す単位

物流業界はブロックチェーン技術の活用が特に進んでいる業界の一つであり、その中でも海運業界での導入事例はこれまでにも数多く報告されています。

世界的に有名な海運会社の多くはすでにブロックチェーン技術の活用に関する発表を行なっていますが「世界的大手の5社が参加した」という今回の発表は、このような流れをさらに加速させることになるでしょう。ブロックチェーン技術は、今や海運業界で主流の技術となってきています。