インドの起業家であるSiddarth Chakravarty氏は、ワクチンの供給に関する問題を解決するために「StaTwig」という会社を立ち上げ、ブロックチェーン技術とモノのインターネット(IoT)を活用してワクチンの製造から医療センターまでの輸送を追跡するソリューションを開発しています。
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ブロックチェーンとIoTで「ワクチン配送の問題」に対処
UNICEF(ユニセフ/国際連合児童基金)とWHO(世界保健機関)の研究報告では、2018年は世界中で少なくとも2,000万人の子供たちが「ジフテリア・破傷風・はしか」などのワクチンを受けることができなかったと指摘されています。
また、生産されたワクチンの30%が異常が無駄になっているため、ワクチンを受けれない子供がいるだけでなく、ワクチンを生産するための費用も無駄になっているとも報告されています。
医薬品・食品業界は以前に、輸送中の製品の温度変化に合わせて色を変えることによって、医薬品や食品の温度変化を察知し、それらの製品が腐敗するのを防止する取り組みを行なっていましたが、これらのデバイスでは温度変化が発生した性格な時間や場所を特定することができないため”非効率的”なものとなっていました。
インドの起業家であるSiddarth Chakravarty氏はこのような問題を解決するために「StaTwig」という会社を立ち上げ、「ブロックチェーン技術」と「モノのインターネット(IoT)」を用いてワクチンの追跡を行うソリューションを開発していると伝えられています。
ワクチンの追跡や注文予測なども可能
Chakravarty氏によると、ワクチンが輸送中に腐敗する主な理由は”頻繁な温度変化”であり、わずかな温度変化でもワクチンの有効性に影響を与える可能性があるといいます。
StaTwig社が開発しているブロックチェーンソリューションは、ワクチン製造工場から医療センターまでの輸送を追跡し、可視化することができるものとなっており、製造業社がサプライチェーンを監視して問題点を解決することができるだけでなく、偽造ワクチンなどの流通に対処することもでき、注文の予測などにも役立つと説明されています。
単に貨物を追跡して”配送がいつ行われたのか”を知ることができるだけでなく、次の注文がいつ行われるかを予測するのにも役立ちます。
需要と供給の予測は、効率性を高めることができるだけでなく、コスト削減にも繋がるため、ビジネスにおいて非常に重要な側面です。その上で製造業社は自らが製造した”本物の製品”がエンドユーザーに届いたことを保証することができます。
ブロックチェーン技術を用いて製品のサプライチェーンを管理する取り組みはすでに世界中で進められており、複数の企業が実際に成果をあげたことを報告しています。
StaTwig社はユニセフからも支援を受けているため、同社のブロックチェーンソリューションはワクチン供給の分野で広く活用されていくことになると期待されます。
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