JPMorgan Chase(JPモルガン・チェース)のブロックチェーン技術「Quorum(クォーラム)」を用いた決済ネットワーク「銀行間情報ネットワーク(IIN)」に、ドイツ銀行が参加したことが「Financial Times」の報道で明らかになりました。
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JPモルガンの情報ネットワークに「ドイツ銀行」が参加
JPMorgan Chase(JPモルガン・チェース)の「銀行間情報ネットワーク(IIN)」は、同社のブロックチェーン技術「Quorum(クォーラム)」を用いた決済ネットワークであり、Ripple(リップル)社が提供している国際送金ネットワークのように国をまたいだ送金で使用されます。
IINは、送金を行う際に取引情報を交換できるようになっており、3月時点ではJPモルガンの顧客や小規模な銀行など185以上の銀行が参加を表明していると伝えられていましたが、今回IINに参加した「ドイツ銀行」は、1870年に設立されて以降大きな成長を遂げたドイツ最大級の民間銀行であり、JPモルガンのライバルでもあるため注目が集まっています。
ドイツ銀行は今年の初め、財政難に対処するために全従業員の2割を解雇していますが、IINに参加することによって、顧客により良いサービスを提供するだけでなく、支払いの処理コストも削減できると期待されています。
ドイツ銀行の決済部門でトップを務めているTakis Georgakopoulos(タキス・ジョーガコポウロス)氏は、IINへの参加について次のように語っています。
ドイツ銀行がそのた複数の大手銀行の先駆けになれることを願っています。これはユビキタス(*1)への取り組みを支援するものであり、ユビキタスがネットワーク成功の前提条件です。
(*1)ユビキタス:情報通信技術を利用していつでもどこでも簡単に、望む情報が得られる世界。
タキス氏は、これまで2日〜16日ほどかかっていた問題を数時間以内に解決できるようにすることによって、時間とお金の両方を節約できると説明しています。
同氏は、IINは「年末までに400行の銀行の参加を目指す」という目標に向かって順調に進んでいるとも語っており、近い将来にはその他の大手銀行も明らかにされるだろうと予想しています。