伊藤忠商事を含む世界の大手コーヒー関連企業らは、サプライチェーンの効率化を目指し、トレーサビリティプラットフォーム「FARMER CONNECT(ファーマー・コネクト)」の展開に参画することを発表しました。このプロジェクトに参加する複数の企業は、IBMのブロックチェーン食品追跡システム「Food Trust(フード・トラスト)」をベースとしたサプライチェーン追跡アプリを2020年に一般公開することを目指しています。
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ブロックチェーンでコーヒーサプライチェーンを効率化
FARMER CONNECT(ファーマー・コネクト)は、スイスの「Farmer Connect SA社」が提供するトレーサビリティプラットフォームであり、ブロックチェーン技術を活用した小規模農園の商品のエコシステムを構築し、農家と消費者間のサプライチェーンの透明性向上を目指した取り組みを進めています。
FARMER CONNECT SA社は2019年9月18日、世界のコーヒーサプライチェーンを担う
・コロンビアコーヒー生産者連合会(FNC)
・JMスマッカー
・RGCコーヒー
・JACOBS DOUWE EGBERTS(JDE)
・Beyers Koffie
・Sucafina
・伊藤忠商事
らと連携して、サプライチェーンをさらに効率化することができるブロックチェーンプラットフォームを構築すると発表しました。
「チップも送れる専用アプリ」2020年公開目指す
ファーマー・コネクトは、IBMのブロックチェーン食品追跡システム「Food Trust(フード・トラスト)」を基盤とした専用アプリケーション「Thank My Farmer」を構築するとしています。
消費者はこのアプリをダウンロードしてコーヒー製品に記載されたQRコードを読み込むことによって「生産地・使用した豆・ブレンドの詳細」などといった、より詳細な情報を知ることが可能です。
また、購入したコーヒー製品が気に入れば生産者に対してチップを送ることもできるようになるとされています。農家の人々は、サプライチェーンが効率化すれば余計な中間手数料を取られる心配もなくなるため、この仕組みはより恩恵を受けれるものになると言えるでしょう。
「Thank My Farmer」は2020年の一般公開を目指しており、公開前には特定のメーカーに対してテストを実施する予定だとされています。このアプリの成功した場合には、お茶やココアなどといったあらゆる小規模農園へ規模を拡大する予定だと説明されているため、今後の報告にも注目です。