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不動産の「権利移転記録」にブロックチェーン技術活用へ|LIFULLが実証実験を開始


不動産・住宅情報サイト「LIFULL HOME’S」などを運営している「株式会社LIFULL(ライフル)」は、急速に増えている空き家や所有者不明不動産などの問題を解決するために”ブロックチェーン技術を用いた不動産権利移転記録の実証実験”を2019年11月から開始することを発表しました。

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深刻化する「所有者不明不動産問題」

株式会社LIFULL(ライフル)は「ブロックチェーン技術を用いた不動産権利移転記録の実証実験」を2019年11月から開始することを発表しました。

同社はプレスリリースの中で、”所有者がわからない不動産”は2016年時点で九州全土の面積を上回る「約410万ヘクタール」も存在すると説明しており、今後も対策を行わなかった場合には所有者不明不動産が2040年までには北海道全土に相当する「約780万ヘクタール」にまで拡大する可能性があると指摘しています。

所有者情報がわからない不動産が年々増加している理由としては「登記が行われていないこと」が挙げられるとのことです。これは著しく市場価値が低下してしまった場合に「移転登記費用が不動産価値を上回る」などの問題が発生していることに起因しており、その結果として登記が行われずに取引記録が断絶し、空き家所有者の特定が困難になっているためだとされています。

ブロックチェーンで「移転登記費用を安値に」

(画像:LIFULL)

11月から開始される実証実験では、パブリックブロックチェーンが持つ「公証性」と「特定の機関に依存せずに取引のタイムスタンプを記録・保持できる点」に着目し、安い価格で不動産の権利移転記録を残し、移転登記の代替手段とする可能性について検証を行うと説明されています。

具体的には、市場価値が”ほぼゼロ”になってしまった不動産をオーナーから無償で譲り受た上で一連の実証実験を行うとのことです。

実証実験では「トークンを用いて不動産の権利移転を行うことによって不動産の譲渡を推進することができるか」や「不動産権利のNFT化や移転証明がブロックチェーン技術で実行できるか」などについての検証を行い、それによって発生する懸念や課題などについての調査が行われる予定となっています。

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