仮想通貨エックスアールピー(XRP)でチップを送ることができるアプリ「XRP TipBot」の開発者であるWietse Wind氏は、オランダの規制によって同アプリで「本人確認(KYC)」や「入出金手数料」などが必要になる可能性があることを報告し、そのようなサービスが受け入れることができるかどうかをコミュニティに尋ねています。
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「オランダの仮想通貨規制」によって生まれる問題
「XRP TipBot」はこれまでWietse Wind氏の趣味として提供されていたため、手数料やアプリ使用量などの請求は行われておらず、寄付金などによって運営されていました。しかしWind氏は先日投稿したブログ記事の中で、「XRP TipBot」は”ビジネス”になるために作成されたものではないものの、仮想通貨業界の規制状況が変化するにつれてそのような状況は変化しつつあると報告しています。
同氏はブログ投稿の中で「オランダ政府は仮想通貨規制に関する法案をまだ可決していないが、仮想通貨規制は間違いなく数ヶ月以内に導入されることになるだろう」と述べています。
オランダの中央銀行である「オランダ銀行(De Nederlandsche Bank/DNB)」は、今年9月に仮想通貨と通常のお金を仮想通貨ウォレットプロバイダーと交換するサービスを提供する企業は、オランダ銀行に登録する必要があると発表しました。これらのサービスプロバイダーは、マネーロンダリングとテロ資金調達に関する規則を遵守する必要もあります。
Wind氏は、欧州連合(EU)の国々が2020年1月10日から新しい「第5次マネーロンダリング指令(AMLD5)」のルールを遵守する必要があることを指摘しています。これは「XRP TipBot」を使用する人々に”本人確認(KYC)”が義務付けられることを意味します。
また「XRP TipBot」を運営するためには、オランダ規制当局への有料登録を行い、KYCプロバイダとの契約を交わし、法律の専門家と話し合いを進めながら、マネーロンダリング対策の仕組みを実装するなど、費用がかかる様々な取り組みを行っていく必要があります。
ビジネスとしての「XRP TipBot」提供を計画
このようなことから、Wind氏は「XRP TipBot」を”ビジネス”という形に変えていくことを計画しており、「入出金手数料」をユーザーに請求する一方で「送金できるチップ数の拡大」や「法定通貨との変換機能」などを提供していく予定であることを説明しています。
Wind氏はブログ記事の中で「手数料を請求することによって一定数の既存ユーザーがサービスを離れていくことを確信している」と述べており、その上でコミュニティに対して次のように問いかけています。
「XRP TipBot」に登録するときに2ドルほど支払わなければならないこと、「XRP TipBot」で入出金を行う際に微量の手数料を支払わなければならないことを想像して見てください。それでもXRPコミュニティの皆さんは「XRP TipBot」を使用してくれるでしょうか?
今後「XRP TipBot」は”価値を転送するプラットフォーム”として個人プロジェクトの枠を超え、オランダの仮想通貨規制に準拠し、より一層発展していく予定ですが、そのためにはマネタイゼーションは避けては通れません。
私はすでに「XRPL Labs」で構築しているプロジェクトに集中しているので「XRP TipBot」を小規模なビジネスに変えなければなりません。時間がないので「XRP TipBot」をスタートアップに変えることはできません。TipBotのようなプロジェクトは、それ自体が自立している方が良いと確信しています。
「第二世代のXRP TipBot」作成に私が多大な時間やエネルギーを費やす前に、聞いておかなければなりません。「少額の手数料を請求する”XRP TipBot”」にXRPコミュニティの人々は参加しますか?進んで本人確認を受け入れてくれますか?
「XRP TipBot」はXRPコミュニティの間で高い評価を受けており、今やアカウント数は6万以上、送信されたチップは200万XRPに達していると報告されているため、新たな変更がコミュニティに受け入れられるかどうかには注目が集まります。
>>「Wietse Wind氏が公開したブログ記事」はこちら
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